福徳神社(芽吹神社)

2014年10月26日

福徳神社

概要

御祭神 倉稲魂命
相殿神
天穂日命・大己貴命・少名彦命・事代主命・三穂津媛命・太田道灌・弁財天・徳川家康
社格 旧村社
鎮座地 東京都中央区日本橋室町2-4-14
最寄駅 東京メトロ半蔵門線・銀座線 三越前駅
東京メトロ東西線 日本橋駅
都営地下鉄浅草線 日本橋駅
JR総武線快速 新日本橋駅
JR中央線・山手線・京浜東北線 神田駅
URL http://mebuki.jp/

御由緒

詳細は不明だが、平安時代前期の貞観年間(859~876年)には創建されていたと推測されている。
旧福徳村の稲荷神社として奉斎され、社号もこの村名に由来する。
古くは源義家が深く崇敬していたとされ、江戸城を築城した太田道灌も狩の帰路にしばしば参詣していたという。
江戸幕府開府以前に太田道灌が合祀され、その兜・矢・鏃などが奉納されたと伝わる。
また、徳川家康は江戸入府後の1590(天正18)年8月初めて参詣し、その後も参詣は数度に及んだという。
二代将軍・徳川秀忠が1614(慶長19)年正月に参詣した際に「福徳とはまことにめでたい神号である」と称賛し、この時に当社の古例であった樹皮付きの椚(くぬぎ)製鳥居に若芽が萌え出ているのを見て「芽吹神社」との別称を命名した。
1619(元和5)年2月に江戸城内から弁天宮が合祀された際には将軍自ら神霊を納めている。
幕末期には火災が多く度々被災したが、社殿・施設修復費用捻出のため、富くじ興行が許された社寺のひとつでもあった。
天保の改革の影響により一時福徳稲荷は姿を消すが、改革を断行した老中・水野忠邦の失脚後、氏子の嘆願により再興された。
明治維新後の1874(明治7)年8月、村社に列せられる。
関東大震災後の1925(大正14)年に区画整理が実施された際、換地に遷座した。
1944(昭和19)年には空襲により社殿が焼失し、戦後仮殿にて奉斎されていたが、1972(昭和47)年、旧三井銀行日本橋支店の申し入れにより旧鎮座地を交換、遷座した。
2010(平成22)年までは一時期ビルの屋上に鎮座するなどしていたが、日本橋室町東地区開発計画の一環として社地・社殿が改められることとなり、2014(平成26)年10月23日に竣工が発表された。
なお、2016(平成28)年9月、境内東側に隣接する敷地が「福徳の森」としてオープンし、同所には東京薬事協会が奉斎する薬祖神社が遷座している。

境内紹介

福徳神社 社頭風景福徳神社 鳥居
福徳神社 狛狐 (1)福徳神社 狛狐 (2)
福徳神社 社殿福徳神社 社殿後方
電車で最も近い駅は東京メトロの三越前駅A6出口からが最も近い。
乗り入れ路線と駅構内が複雑なため最寄りからは省いたものの、東京駅も充分徒歩圏内である。
COREDO室町2を目標に来れば迷わずたどり着けるはず。
過去幾度となく遷座を繰り返したこの神社にも、ここにようやく永年鎮座できる社地が見つかったと思いたい。
社殿は木造のような外観だが、当地が防火地域の為、実は鉄骨造に吉野檜で化粧をしている。
RC造ののっぺりとした外観に安易に落ち着かなかったことに拘りが伺える。
地下2階には防災用備蓄倉庫が造られていて、帰宅困難者に配給する飲料水や食料が16,000食分確保されているという。
この用意のお世話になる事態が起こらぬ方が良いのだが、都会の中心に鎮座する神社の新たな役割として、素晴らしい発想ではないだろうか。

ライトアップの風景

福徳神社 ライトアップ (1)福徳神社 ライトアップ (2)
福徳神社 ライトアップ (3)福徳神社 ライトアップ (4)
こちらは夜間にライトアップされた福徳神社。
近隣のネオンやイルミネーションとはまた違う、気品のある美しさ。
経年変化した後の社殿ではどのようになるか、今から楽しみである。

御朱印

福徳神社 御朱印

福徳神社 御朱印。初穂料300円。
社殿向かって左手の授与所にて拝受可能(お墨書きの対応時間は通常10~15時)。
遷座以前は授与されていなかったようだが、今回の再興に合わせて授与を開始された。
縁起の良い社号の御朱印を授かれることになったのは嬉しい。
御祭神の神恩と宮司様以下神職の皆様の御心に感謝したい。

特別御朱印

2017(平成29)年より特別御朱印の授与は停止された模様。
祭事や節句、季節行事など節目での参拝の証として、特別御朱印が授与される。
あくまで特別な日の御朱印という意味合いであるため、神社側では「限定」の言葉は使っていない。

例祭

福徳神社 例祭特別御朱印

毎年5月初旬に斎行される例祭の特別御朱印。
スタンプは徳川秀忠が別号を与えた「芽吹稲荷」のエピソードに登場する、黒木鳥居に新芽が出た様子。

朔日・月次祭

福徳神社 朔日特別御朱印 福徳神社 月次祭特別御朱印

「芽吹き」柄は毎月一日(朔日)と毎月第一週めの木曜日(月次祭)に、それぞれ違うデザインで押印されていた。

祭事・節句・節気・行事

福徳神社平成28年元旦特別御朱印 福徳神社 人日特別御朱印 福徳神社 初午祭特別御朱印

2016(平成28)年元旦特別御朱印(猿のスタンプ)と人日特別御朱印(根引き松のスタンプ)、2月初午祭特別御朱印(狐面)。

福徳神社 上巳の節句特別御朱印 福徳神社 日本橋桜フェスティバル特別御朱印 福徳神社 端午の節句特別御朱印

上巳の節句(立雛のスタンプ)、日本橋桜フェスティバルの開催に合わせて出された特別御朱印には松尾芭蕉が詠んだ「さまざまの 事おもひ出す 桜かな」の句が捺されていた。
5月の端午の節句は菖蒲のスタンプ。

福徳神社 夏越の大祓特別御朱印 福徳神社 七夕祭り限定御朱印 福徳神社 夏休み限定御朱印(平成27年)
福徳神社 夏休み限定御朱印(平成28年)

夏越の大祓特別御朱印(茅の輪と形代のスタンプ)、七夕祭り特別御朱印(笹と短冊のスタンプ)、2015(平成27)年8月の土曜日のみに頒布された夏休み特別御朱印(花火と屋形船のスタンプ)。
2016(平成28)年8月の夏休み特別御朱印は日本橋と日本橋川が描かれた江戸団扇の図。

福徳神社 重陽の節句特別御朱印 福徳神社 中秋特別御朱印 福徳神社 御遷座記念特別御朱印

重陽の節句(菊のスタンプ)、中秋(満月にススキ、うさぎのスタンプ)、御遷座記念の特別御朱印。
御遷座記念に押印された福徳印は、江戸幕府御用印判師であった佐々木印店(現・中央区日本橋室町4-3-3)に伝わる「御代御花押御朱印御黒印御宝印之写 全御三家御代々花押附之」に印影が収録されている「家康天正十九年」の印。

日本橋 福徳神社 玄猪特別御朱印 日本橋 福徳神社 新嘗祭特別御朱印 日本橋 福徳神社 冬至特別御朱印

玄猪(猪のスタンプ)、新嘗祭(懸税のスタンプ)と冬至の特別御朱印(南瓜と柚のスタンプ)。


福徳神社・真木千明宮司の著書。

福徳神社の地図