大麻止乃豆乃天神社


御祭神:櫛真智命
社格:延喜式内社(論社)・旧郷社
所在地:東京都稲城市大丸847
最寄駅:JR南武線 南多摩駅
URL:—
御由緒:創建の詳細は不明。
元は現在地の1km強西方、谷戸川左岸の崖(現・川崎街道北側)「明神バケ」に鎮座していたという。
(バケとは嶽または崖の意とされる。)
社号の「大麻止乃豆(おおまとのつ)」は、多摩川の渡津の意「大真門の津」とする説のほか、祭神名からという説がある。
延喜式神名帳に記載された大和国・天香山坐櫛眞命神社(現奈良県橿原市・天香山神社)の項に「元名大麻等乃智神」との注があるのを根拠として、櫛真知命と大麻等乃智神を同一視した説である。
江戸時代には「丸宮社」「丸宮明神」「丸山明神」などと称され、新編武蔵風土記稿には現在も隣接する圓照寺が別当であったことが記されている。
また延喜式神名帳内「大麻止乃豆乃天神社」の論社として言及されているが、御嶽山内の大麻止乃豆乃天神社(現・武蔵御嶽神社)の存在に触れ、当社については否定的見解が示されている。
明治の神仏分離令で独立する際、大麻止乃豆乃天神社と改称されている。
1873(明治6)年11月、郷社に列格した。



南多摩駅から徒歩約500mほど、かつて城山と呼ばれ大丸城があったとされる丘陵を少し登ったところが鎮座地。
鎮座地付近の地名、大丸(おおまる)は、大麻止が変化した呼称ともいわれている。
参道は石段になっており、途中に二対の狛犬がいる。古い狛犬は1841(天保12)年6月奉納。

周囲は多摩ニュータウン・向陽台地区として開発が進められてきたが、この貴重な神域は護られた。
当社が式内社であるかどうかより、この環境が残され参拝できることこそが重要だと感じる。

境内社の津島神社と、合殿に祀られている白山神社・神明神社・稲荷神社。

合殿のそばにはもう一座の稲荷神社。
拝殿前には新編武蔵風土記稿にも記載がある秋葉神社。

境内にはあと二社の小祠が鎮座しているが、いずれも祭神不明。

大麻止乃豆乃天神社 御朱印。初穂料300円。
現在は中野区・神明氷川神社の兼務社である。
御朱印は神明氷川神社社務所にて申し出れば拝受可能。