池尻稲荷神社

2014年4月10日


御祭神:倉稲魂神
社格:旧村社
URL:http://www.ikejiri-inari.com/
所在地:東京都世田谷区池尻2-34-15
最寄駅:東急田園都市線 池尻大橋駅
御由緒:創建は明暦年間(1655~1657年)。旧池尻村・池澤村両村の産土神として大山道沿いにあった常光院(現在は廃寺)の一角に勧請されたという。
矢倉沢往還(現在の二子玉川方面道路)と津久井往来(現在の上野方面道路)の二つの街道からの人々が角屋・田中屋・信楽屋の三軒の茶屋(三軒茶屋の起源)で休憩して江戸入りする道筋にあり、また、江戸から大山詣での人々が大坂(現在の旧山手通りと大橋の間の坂道)を下った道筋で道中の無事を願い、感謝する人々の信仰が篤かったと伝えられている。
また、境内には「薬水の井戸」と称する井戸があり、かつては病気が平癒する神水として信仰されたといわれる。
江戸から旧大山街道を通行する人々にとって、赤坂一ツ木村から当地までは飲用可能な水源が無く、この井戸水で喉をうるおしたという。
明治期に入ると付近には兵舎や駒沢練兵場が作られ、急速に軍人の街として商店等が増え街が発達する中、村社に列した。
1945(昭和20)年5月の空襲では、当然のごとく軍事地域である当地一帯は被災するが、境内にあった二本の大ケヤキによって風向きが変えられたことで、社殿は焼失を免れたという。
戦後の1964(昭和39)年、そばを通る国道246号の拡幅のために社地の一部が削られている。

東急田園都市線の各停、池尻大橋駅の南口を出てそのまま三軒茶屋方向へ246を辿っていくと鳥居が見えてくる。
石段を登り参道を進むと右手に境内社の水神社、左手には手水舎が配置されている。

この手水舎に流されている水こそが、「薬水の井戸」から汲みあげた地下水。
涸れずの井戸とも称され、付近の井戸が全て涸れた大干ばつの際にも、この井戸だけは枯れなかったという。

凛々しい顔立ちの神狐。

拝殿左に鎮座する境内社の清姫稲荷神社。御神体が白蛇と言われており、前述の水神社も水神として蛇神を祀る。

境内には桜が咲き誇っていた。目黒川の桜も素晴らしい眺めだが、神社の桜はまた別の趣があり味わい深い。

池尻稲荷神社 御朱印。初穂料300円。
社殿右手に社務所があり、そちらにお願いする。