小村井香取神社

2017年4月5日


御祭神:經津主大神(伊波比主大神)
社格:旧村社
所在地:東京都墨田区文花2-5-8
最寄駅:東武鉄道亀戸線 小村井駅
URL:http://www.omurai-katorijinja.jp/
御由緒:平安時代末期、千葉県香取郡から六軒の人々が移住し、香取神宮の御分霊を氏神として祀ったことにはじまる。
当地は「小村江(入り江に面した小村の意)」と呼ばれており、鎌倉時代に伊勢神宮の荘園「葛西御厨」の一部とされ、1165(永萬元)年の葛西御厨文書や1398(応永5)年の葛西御厨注文等にその村名が見られる。
江戸時代には真言宗智山派の寺院、東林山華蔵院寶蓮寺(現・江東区亀戸4-35-12)が別当寺を務めた。
また、境内隣地には名主・小山孫左衛門が三千坪超の広大な梅園を有しており、毎年将軍の御成があるなど、江戸近郊における観梅の名所だったが、1910(明治43)年に起きた大水害によって廃園となる。
戦後は1948(昭和23)年9月に仮殿を再建した後、1954(昭和29)年に総檜銅板葺の現社殿を造営した。




小村井駅を出て右、明治通りを270mほど南に進み、立花二丁目交差点で右折する。
交差点から約150mほどで社頭にいたる。
「皇國鎮護」と刻銘された門柱もさることながら、鳥居の脇にある小さな旧社号標に記された「大日本武将祖神」の尊称が目を引く。

流造の本殿と、入母屋造の拝殿および幣殿で構成された社殿。
武神の勇猛さを表現するかのような曲線を持った屋根、各殿の連結部に見られる緻密な整合、そして重厚な色味を持った総檜の躯体は実に美しい。

境内には末社が6社鎮座する。
社殿向かって右手奥には天祖神社(天照大神)・水神社(罔象女命)・稲荷神社(倉稲魂命)・北野神社(天満天神)の合殿、そして三峯神社(日本武尊)。
稲荷社、天神社は新編武蔵風土記稿にも記載がある。

諏訪神社(建御名方神)は境内左手奥に鎮まる。
そばにはかつて本殿前に据えられていたという石造の水鉢(墨田区登録有形民俗文化財)。
1828(文政11)年6月に奉納された水鉢には、よく見かける「奉納」や「奉献」ではなく、「禊盥」の刻銘がある。
「禊盥」とはみそぎ(の為の)たらい、の意。
当時の奉納者が、手水は本来沐浴し心身を清める「禊」を簡略化した行為であるのを理解したうえで寄進している貴重な例とされている。

もくじ

香梅園

かつて江戸の名所だった「小村井梅園」を再現しようと、1994(平成6)年境内の一角に「香梅園」が造られた。
85種類・120本の梅が、鳥居をくぐった両脇に集められており、これらが咲き誇る満開の風景は非常に見ごたえがある。
毎年2月下旬~3月上旬頃には「梅まつり」も開かれる。


小村井香取神社 御朱印。初穂料各300円。
香梅園のシールが有り無しの違いで二種授与されている。
参道右手の社務所にて受けられる。
※2017(平成29)年4月13日追記
宮司様が体調を崩されており、梅祭りまで御朱印の授与を休止されているとの情報あり。