御朱印とは?解説ともらい方のマナー

2014年2月6日


御朱印(ごしゅいん)は、神社や寺院に参拝した証として押印される「神璽」「御宝印」という印章のことです。
諸国を巡礼する修行者が社寺で納経した際に発行された納経請取状が御朱印の起源という説が有力です。
江戸時代になり納経帳が普及し、これを携行し記帳してもらうという現在に近い形式になりました。

御朱印は神璽や御宝印が押印される他に、墨書で社寺号や参拝日、社格や特徴などを添え書きされるので、印影とともに各社寺それぞれとても個性的で一種芸術的なものとなります。
これは御朱印の最大の魅力であり、外国人の目にも魅力的に映るようです。

近年パワースポットブームなどの影響もあって、御朱印集めを始められる方も増えているようです。
神社や仏閣に対する信仰など、日本古来の文化に触れ学ぶきっかけとしては良いことですが、それとともに神様や仏様、お書き下さる社寺にお務めの方々に失礼な行為や言動をする方も散見され、そのせいで御朱印の授与を辞められた社寺も出てきています。

御朱印に興味を持たれた方が、この素晴らしい世界を末永く楽しめるよう御朱印の頂き方、マナーについてまとめてみたいと思います。

御朱印のもらい方七か条

御朱印帳を用意しよう

御朱印帳は各社寺で授与品として置いてある他、文具店や通販で取り扱うところも増えています。
社寺オリジナルのデザインもあるので、気に入ったものを探すのも楽しみの一つです。
なお、御朱印帳に観光スタンプを押すなどスタンプ帳のように扱ってしまう方がいますが、このような粗末な扱いをすると御朱印の授与を断られる原因になります。

また、神社とお寺両方で御朱印をいただく場合、御朱印帳は神社用とお寺用で分けたほうが無難です。
こだわらず授与してくださる場合が多いのですが、社寺あるいは宗派が混ざっていることを理由に断られる場合があります。
神仏習合の時代ではありませんし、快く頂くためには、できるだけ社寺の方に失礼のないように配慮しましょう。

小銭を多めに用意していこう

御朱印の初穂料(納経料)は多くの社寺では300~500円程度ですが、本殿、摂社末社への御賽銭なども含め余裕を持って小銭を用意しておきましょう。
ちなみに初穂料(納経料)を「お気持ちで」とおっしゃる神社もありますが、この場合も300円を奉納すれば問題ありません。

御朱印をいただく前に必ず参拝をしよう

御朱印は参拝の証としていただけるもの。
参拝をせずに御朱印だけいただこうとすると断られる場合があります。
実に当たり前のことですが、スタンプラリーではないのですから、まずは参拝をしましょう。
ただし多くの人が訪れる大きな社寺では、参拝前に御朱印帳を預けてよい場合や、そのような案内を掲示されていることもあるので臨機応変に。
また、遅い時間に社寺に訪れるのも失礼な行為です。
受付時間後には後片付けだけではなく、日々の祭祀や事務仕事をされている場合もあるのです。
時間ぎりぎりにならないように心がけましょう。

書いていただいている間は静かに待とう

御朱印は大抵、社務所(寺院の場合は寺務所)か授与所でいただけます。
小さな神社ですと、社務所のインターホンで宮司さんや神職さんにお願いすることになる場合が多いです。
御朱印帳の書いて欲しいページを開いて書き手さんにお渡しします。
書き手さんが不在の場合もありますが、その場合は書置きしてくださっていることもあるので聞いてみましょう。
一方、混んでいて順番待ちになる場合もありますが、神聖な空間にお邪魔していることを忘れず、静かに待ちます。
この間に、場の気をじっくり感じてみたり、社殿の造りや彫刻などに注目してみるのもひとつです。

頂くときはきちんと御礼を

お忙しい中書いてくださった方、そして社寺に祀られた神仏に心を込めて御礼を言います。
御朱印も授与品も神仏からお頒ちいただくものであり、単なる買い物とは違い社寺側は「授与」、参拝者は「拝受」と言いあらわします。
金を払っているのだ、というぞんざいな態度の人がいますが、もってのほかで「納めさせていただく」のです。

社寺はあくまで信仰の場。
それを理解できない限り、御朱印を受ける資格はありません。

字の上手下手は関係ない

書いて下さる方は神職さんだけでなく筆慣れしていない氏子さんの場合もあります。
字についてクレームを言う人がいたり、そのような意見をウェブ上でも見かけることがありますが、参拝をさせていただき、その社寺の神様と御縁をいただいた証としていただいているのですから、字の上手下手は関係ありません。
その時のあなたに授けられた、世界でたったひとつのお参りの証として感謝しましょう。

いただいた御朱印は大切に

御朱印は、御札や御守と同様のものとして扱うものです。
持ち歩かないときは神棚に祀る方もおられます。
思い出とともに大切に扱いましょう。

以上、御朱印のいただき方について個人的な意見も含めまとめてみましたが、参考にしていただければ幸いです。
ぜひ御朱印の世界を楽しみ、神社という日本固有の文化・歴史、思想に触れて見て下さい。

お読みいただき、ありがとうございます。