皇大神宮(伊勢神宮・内宮)

2014年10月20日


御祭神:天照坐皇大御神
社格:神宮(近代社格対象外)・二十二社・延喜式内大社
URL:http://www.isejingu.or.jp/about/naiku/
所在地:三重県伊勢市宇治館町1
最寄駅:JR東海参宮線 伊勢市駅
近鉄山田線 伊勢市駅・宇治山田駅
近鉄鳥羽線 五十鈴川駅
※上記各駅より三重交通伊勢二見鳥羽周遊バスCANばす 内宮前停留所
など三重交通運行の各系統バス乗車もしくはタクシー利用
御由緒:皇室の御祖神で日本の総氏神である天照坐皇大御神がご鎮座する伊勢の神宮の正宮である。
第10代崇神天皇の皇女・豊鍬入姫命の後を継ぎ、御杖代として奉仕していた第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命の夢に大御神が現われ「高天の原に坐して吾が見し国に、吾を坐せ奉れ」との御神託があり、倭姫命は大御神の鎮座地を求め、大和国を発ち巡幸する。
伊賀、近江、美濃国を経て伊勢に至った際「是の神風(かむかぜ)の伊勢國は、則ち常世の浪の重浪帰す國なり、傍國の可怜國なり、是の国に居らむと欲ふ」という大御神の御神託を得た。
大御神の御神慮に拠り紀元前4(垂仁天皇26)年10月、宮祠を伊勢国に建て、斎宮(いはひのみや)を五十鈴川上に興された。
さらに倭姫命は宮域や祭祀行事・施設の整備などを行い、神宮の基盤を確立した。
この後飛鳥時代に入ると、第40代天武天皇が古代の国家神道を整備していく中、伊勢の神宮を重視し神道の最高位とされる道筋をつけた。20年置きに二つの正宮の正殿、14の別宮などを造替し遷座する式年遷宮を発案したのも天武天皇とされ、第一回式年遷宮は690(持統天皇4)年に斎行された。以降戦乱等による中断、延期などはあったものの1300年以上経った現代にまで受け継がれている。


五十鈴川に架かる俗界と神域の境界、宇治橋を渡る。外宮と反対に内宮は右側通行である。



火除橋、手水舎を過ぎると第一鳥居。かつてはここからが神域であったという。
その先には徳川綱吉の生母、桂昌院が寄進したとされる御手洗場。
滔々と流れる五十鈴川の川面と深い社叢を眺めていると心までも祓い清められる。

式年遷宮時に神職を祓い清める川原祓所(かわらのはらえしょ)、五十鈴川守護の水神を祀る所管社・瀧祭神。
正宮参拝前にこちらに詣でておくと大御神に取り次いで下さるという役割も担っている。

第二鳥居の先には神楽殿・授与所。授与品や御朱印はこちらで受けられる。


御正宮の撮影は石段下まで。限りなく神聖な霊地であり、鳥居の先に何が存在するのかはこの場に来て、体感して確かめるより他にない。
正宮の参拝後、内宮第一の別宮・荒祭宮へ。天照坐皇大御神の荒御魂を祀る。
正宮では神恩への感謝を表し、荒祭宮では決意・決断へのご加護を願う。

外幣殿と御稲御倉。外幣殿には古神宝類が納められている。
御稲御倉(みしねのみくら)は所管社。御祭神は御稲御倉神(倉稲魂命)で、神田から収穫した御稲の倉庫でもある。

神楽殿近くまで戻る途中に御酒殿と由貴御倉(ともに所管社)が並ぶ。
御酒殿(みさかどの)の御祭神は御酒殿の守護神、御酒殿神。
元は神酒を醸造する所で、現在は三節祭用の神酒を一時納めて、これを奉下して神前にお供えする。
由貴御倉(ゆきのみくら)の御祭神は由貴御倉の守護神、由貴御倉神。
古くは大御饌祭のお供えや果物などが納められていた。


御酒殿と由貴御倉のそばには、往古の祭祀方法である磐座(いわくら)の形態を残す四至神が神域を護る。
神楽殿から南側に向かうと別宮・風日祈宮が鎮座している。
外宮の風宮同様、級長津彦命と級長戸辺命が御祭神である。


神楽殿から北に向かうと参集殿や御厩がある。御厩には神馬の空勇号が微動だにせず佇んでいた。
さらに奥へ進むと所管社の大山祇神社と子安神社。
大山祇神社は大山祗神、子安神社は木華開耶姫命を祀る。

宇治橋から北西の駐車場の奥へ向かうと三社の所管社、摂末社が鎮座している。
所管社・饗土橋姫神社(あえどはしひめじんじゃ)は宇治橋鎮守神、摂社・津長神社には栖長比賣命と、御同座として末社・新川神社(新川比賣命)・石井神社(高水上命)がそれぞれ祀られている。

摂社・大水神社には大山祗御祖命の他、末社・川相神社(細川水神)と熊淵神社(多支大刀自神)が御同座として祀られる。
また皇大神宮とは関連しないが、饗土橋姫神社の左脇の小道を奥へ進むと合格神社という神社が鎮座している。
御祭神は「憲政の神様」「議会政治の父」と称され三重県を地盤とした政治家・尾崎行雄氏である。
こちらは管理状態が少々荒れ気味で残念。雰囲気は悪くないのだが。

伊勢神宮 第六十二回式年遷宮記念御朱印帳。価格1,500円。
こちらは神宮の授与品ではなく、崇敬会による謹製品。
入手は内宮参集殿休憩所内の伊勢神宮崇敬会授与所と内宮近くの神宮会館売店、もしくは崇敬会による通信販売で可能。
ちなみに数量限定となっているが、2014年10月時点ではまだ頒布されている。

参考:神宮会館公式サイト

皇大神宮(伊勢神宮・内宮) 御朱印。初穂料300円。
前述の神楽殿併設の授与所にて。