子安神社(明神町)
御祭神:木花開耶姫命
相殿神:天照大御神・素盞鳴尊・大山咋命・奇稲田姫命
社格:旧郷社
所在地:東京都八王子市明神町4-10-3
最寄駅:京王電鉄京王線 八王子駅
JR中央線・横浜線・八高線 八王子駅
URL:http://koyasujinja.or.jp/
御由緒:当社は八王子市最古の歴史を持つ。
759(天平宝字3)年、第47代淳仁天皇の皇后・粟田諸姉(あわたのもろえ)の御安産を祈願すべく、勅命を受けた橘右京少輔が草創したと伝えられる。
以後多西郡(多摩川の西側)の総鎮守、安産の神として近郷より崇敬され、子安明神と称された。
また、武将の尊崇も篤く、八幡太郎義家は奥州下向の折、戦勝を祈念して欅十八本を船形に植樹奉納した事からこの神苑は船森と称された。
1330(元徳2)年、人見四郎入道光行(人見恩阿)が社殿を再造、御移奉し神櫃を寄進したと伝えられる。
人見四郎入道光行は北条高時に仕えた御家人で、軍記「太平記」の中で楠正成の居城・河内赤坂城攻めの際、討ち死を遂げたことが記されている。
江戸時代には1649(慶安2)年の三代将軍・徳川家光以降代々の将軍家より朱印地六石の寄進があったことから、神紋に三つ葉葵が使われている。
また、1701(元禄14)年、1865(元治2)年には社殿の改築が行われている。
1868(明治元)年に社号を子安神社と改称、1872(明治5)年には村社に列せられ、さらに1943(昭和18)年郷社に昇格した。
最寄りは京王八王子駅。北西へ徒歩2~3分の距離である。
JR八王子駅北口からも徒歩5分程度とアクセスは良い。
南面し南北に長い社地は、駅から至近の上にすぐ裏手に国道20号(甲州街道)が通るという立地だが、その喧騒を感じさせない。
神楽殿は2014(平成26)年9月に竣工した真新しいものである。
境内には庭園として整えられ豊かに水を湛えた神池、そして末社の厳島神社が鎮座する。
御祭神は市杵島姫命。古くは船森弁財天と称され、境内には弁財天の化身とされる白蛇が棲みついていたという。
なお、神池には錦鯉がいて餌やりが楽しめる。(餌代100円)
こういうものを見かけるとついついやってしまう。
拝殿周囲にはさらに4つの末社が鎮まっている。
厳島神社の鳥居脇には氏子や神社関係者を祀る祖霊社。
拝殿左手奥に稲荷社らしき小祠(説明書きが無い)。
拝殿そばに二社。向かって右手には木花開耶姫命の御神像が祀られた神水殿。
こちらに竹筒を奉納して子宝祈願をする。
安産祈願の時は底抜け柄杓、御礼参りには底がある御礼柄杓となる。
一方、拝殿左手には橘社。
御祭神は当社を創建した橘右京少輔命である。
神水殿の右手には鳥居があり、その奥にも摂末社が鎮座する。
末社五社の合祀殿には、石神社(少彦名命:咳止めの神)・白山神社(白山比咩命:歯の神)・稲荷神社(保食神:生業・商売の神)・御嶽神社(国常立尊:目の神)・第六天神社(面足尊・惶根尊:足腰膝の神)が祀られている。
摂社・金刀比羅神社の御祭神は大物主命(大国主命)。
元は八王子横山宿に住む紀伊の字屋杢代安太郎が讃岐金刀比羅宮を勧請し、自宅の蔵に奉斎した邸内社であった。
ところが、非常に霊験灼かであったことから邸内に祀ることを畏れ、1797(寛政9)年春に神卜により子安神社の境内に遷座させたという。
商売繁盛・開運厄除・交通安全の他、明治の八王子大火や空襲の際にも焼失を免れたことから、火難災難除の御神徳があるとされる。
金刀比羅神社の社殿左手には葦船社。
伊邪那岐・伊邪那美の二柱が国生みの際、不具の子として生まれ葦船に乗せられた日留子命を祀る。
水子となった霊魂を幽世で守る神とされている。
子安神社 御朱印帳。初穂料1,500円。
女性の心をくすぐりそうな、艶やかな十二単が描かれた平安絵巻風の意匠。
なおこの他に黒地の別柄もある。
子安神社と摂社・金刀比羅神社の御朱印。
それぞれ単体でも拝受可能で、初穂料各300円。
2015(平成27)年から和歌の書かれた御朱印が授与されるようになった。
申し出ると社号が墨書きされた方でもご対応いただけるようである。
(参考:子安の巫女さん時々神主さんのブログ)
ちなみに和歌は京都府出身の俳人・山口誓子が子安神社を参拝した際に詠まれた歌である。
八王子子安神社の限定御朱印
子安神社では折々の祭事や季節に応じて、限定御朱印の授与がなされる。
夜間特別参拝
拝殿前の枝垂桜開花に合わせ行われた、夜間特別参拝時の御朱印。初穂料600円。
御朱印帳への直書きはピンクのみ。書き置きで墨書きも。
2017(平成29)年は見開きサイズになり、朱印帳への記帳と書き置きの二種類が授与された。
初穂料各1,000円。
子安祗園祭限定
相殿・八坂神社(素盞鳴尊)の祭礼「子安祗園祭」の限定御朱印。
御朱印帳への記帳、書き置きの二種類が授与された。
初帳面三頁分に亘り、素盞鳴尊が詠んだ日本最古の短歌が記された迫力ある御朱印となっている。
初穂料は各1,200円。
初金刀比羅祭限定
摂社・金刀比羅神社 初金刀比羅祭限定御朱印。初穂料各500円。
初金刀比羅祭は年初の縁日で、だるま市や福娘による福笹の授与が行われる。
御朱印は朱印帳への記帳と書き置きの二種類で、墨や印泥の色が異なる。
また、墨の押さえ紙はだるまの絵が4種類あり、いずれかの紙がランダムで授与された。
船守稲荷初午祭限定
八王子・子安神社 2016(平成28)年初午限定御朱印。初穂料500円。
織物町であった八王子には多数の稲荷社が祀られていたことから、初午祭も盛大に行われる。
2017(平成29)年は二頁分を使い、朱印帳への記帳と書き置きの二種類が頒布された。
初穂料は各800円。
おまけ
社務所兼参集所の建物(葵記念館)内のロビーで展示されていた現役の神輿。
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