穴八幡宮
概要
平安時代中期の康平5年創建の神社で、江戸八所八幡のひとつ。
毎年冬至から節分まで頒布される一陽来復守が有名。
御朱印も社号ではなく「一陽来復」と豪快に書かれる。
御祭神 | 應神天皇・仲哀天皇・神功皇后 |
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社格 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都新宿区西早稲田2-1-11 |
最寄駅 | 東京メトロ東西線 早稲田駅 |
URL | http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/shinjuku/5442 |
御由緒
1062(康平5)年、奥州の乱を鎮圧した源義家(八幡太郎)が凱旋の折り、日本武尊の先蹤にならい、当地に兜と太刀を納め氏神八幡宮を勧請、東北鎮護の社として創建された。
1641(寛永5)年、宮守の庵を造るため山裾を切り開いたところ、神穴が出現し中から金銅の御神像が現れたため、この時期から穴八幡宮と称されるようになる。
同年この地に居住していた江戸幕府の祐筆(事務官僚)・大橋龍慶が方百間の地を献じ、社殿を壮大に造営した。
この頃、神木の松から瑞光を放つなど諸々奇瑞のあったことが三代将軍家光の上聞に達し、当社を江戸城北の総鎮護として総営繕を命ぜられる。
1648(慶安元)年社殿再興の折、幕府から氏子として牛込郷36ヶ町が定められ、翌年の1649(慶安2)年、社殿を始め数々の殿舎が竣工し、八千八百余坪の境内地に壮麗な建物が櫛比して将軍家祈願所としての規模も整い、以後江戸屈指の大社となった。
その後も幕府により数次にわたって造営・営繕が行われ、特に1703(元禄16)年の造営は、江戸権現造り社殿として壮麗を極めたという。
1854(安政元)年青山火事により類焼し、幕府より造営料などが奉納されたものの、幕末の多事と物価高騰のため仮社殿のまま明治維新を迎えた。
その後、昭和初年に旧時の盛観に復元したが、空襲により社殿は再び焼失した。
しかし戦後はいち早く仮社殿により再興、1989(平成元)年から慶安・元禄の江戸権現造りの設計図を基に御本殿御社殿の造営をはじめ、1998(平成10)年の随神門竣工をもって往時を偲ぶ姿に復し、引き続きその他の再建、境内地の整備に着手し今日に至る。
境内紹介
最寄りの早稲田駅からは、2番出口を出て左に進めば上記の交差点にほどなくたどり着く。
早稲田通りと諏訪通りの交差点には大鳥居が建つ。
小高い丘の上に鎮座しているため、参道はやや長めの石段となっている。
ちなみにこの丘を前方後円墳とみる説があるが、穴から神像が出土したという由緒から考えると有力な説に思える。
二の鳥居をくぐり石段を上っていくと、平成に入り再建された隨神門(光寮門)や鼓楼が目に入る。
随神門は1988(平成10)年、鼓楼は2015(平成27)年の造営である。
境内参道を進むと右手に手水舎。センサー式で自動で水が流れる。
手水舎の左手には布袋尊像の水鉢が置かれている。
新宿区の有形文化財(工芸品)に指定されており、置かれているのはそのレプリカ。
境内は広々としているが一陽来復御守(後述)の頒布期には露店が立ち並び賑わいを見せる。
雄大さを極める社殿からは圧倒的な気が参道へ放たれているかのように感じられる。
拝所の中は盛夏の時期でもひんやりとしており、厳粛な空気が保たれている。
神武天皇遥拝所。
ここから遥か南西の奈良県・橿原神宮の方向へ遥拝できる。
角と宝珠を乗せた狛犬と獅子は1755(宝暦5)年造。
神武天皇遥拝所脇から隣接する放生寺側へ続く石段の途中に、玉垣に囲われた出現殿がある。
直接参拝はできないが、ここが神像の出現した神穴があった場所である。
社殿は総黒漆仕上げで、2006(平成18)年に造営された。
残雪の風景
2014(平成26)年2月、東京で20年振りの大雪となった翌日の境内。
都内では珍しい、残雪に覆われた風景。
一陽来復御守
毎年冬至から翌年節分までの期間限定で頒布される「一陽来復御守」は江戸元禄年間から始まったとされる。
金銀融通の御守として非常に人気が高く、拝受しようとする人の行列ができる。
御守は冬至・大晦日・節分のいずれかを選び、24時ちょうど(例:大晦日なら1月1日、節分なら2月4日の午前零時)に文字を翌年の恵方に向け、恵方と反対側のなるべく高い位置に貼る。(恵方は節分を境に切り替わる)
一陽来復御守は初穂料800円。
御朱印・御朱印帳
御朱印
穴八幡宮の御朱印は拝殿内左の授与所にて頂ける。
一陽来復御守の頒布期間(冬至から節分)は授与されない。
初穂料は「お気持ちで」とのこと。
通常、御朱印には社号が記されることが多いが、穴八幡宮では「一陽来復」(冬が終わり春が来る、悪いことが続いた後で幸運に向かう意)の墨書きになる。
2016(平成28)年から限定御朱印の授与は停止されたとのこと。
9月15日例大祭時の限定御朱印。通常社号印が捺されるが、楼門等を描いた朱印に変わる。
流鏑馬神事限定御朱印は、流鏑馬の射手と馬が描かれた朱印に変わる。
毎年体育の日に戸山公園内特設馬場で行われる流鏑馬奉納神事。
御朱印帳
穴八幡宮の御朱印帳。
初穂料は御朱印分含め1,000円。
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