小野神社(小野宮)
御祭神:天下春命・瀬織津比咩命
社格:延喜式内小社(論社)・旧郷社
所在地:東京都府中市住吉町3-19-3
最寄駅:京王電鉄京王線 中河原駅
JR南武線 西府駅
URL:http://www.kankou-fuchu.com/entry.html?id=40298
御由緒:境内に現在も残る「小野宮廟碑」には、安寧天皇の御代(紀元前548~511年)、武蔵国造となった兄武日命が、一之宮を創建したとある。
兄武日命について「小野宮廟碑」では、天下春命の後裔で二井諸忍野神狭命の九世孫とされている。
祭神については、当初は瀬織津比咩命一座であったとする説、あるいはもとは雷神が祀られていたなど諸説あり、江戸名所図会など後世の資料では天下春命と倉稲魂命が後に合祀されたとしているものがある。
当社は延喜式神名帳に記載された多摩郡八座内「小野神社」の論社であるが、江戸時代までの地誌の多くは当社を式内社に比定し、明治以降の各資料では多摩市の小野神社としているものが多い。
府中市による考証では、天正年間(1573~1593年)に社地が多摩川の氾濫によって流失、慶長年間(1596~1615年)の初頭に流路が安定し、住民は現在の多摩市一ノ宮付近に集落を形成して、新たに社を造営したと推定している。
しかし、全ての住民が移住したわけではなく、旧地に残留あるいは復帰した人々により、1686(貞享3)年頃に当社が再建されたと見ている。
なお、江戸名所図会では当社を「小野神社」、多摩市の小野神社を「一宮大明神」として紹介されている。
1873(明治6)年、郷社に列せられた。
最寄り駅の中河原駅から、目の前を通る都道18号線(鎌倉街道、新府中街道)を北へ。
300mほど進むとガスト府中中河原店がある。
ここで左折し、さらに200mほど先にあるバイク店脇の小径を入っていく。
この先は住吉町第2地域公園となっており、隣接して社地がある。
社号標には「延喜式内 多摩郡八座内」そして「郷社」の文字。1925(大正14)年奉納。
社地北側には住宅が近接しているため、社殿をまともに撮影できるのはこの角度のみ。
本殿は朱塗の神門と玉垣で囲われている。
境内の主な石造物は、ほとんどが昭和期に奉納あるいは修復されたものであるが、社地左手の常夜灯は1880(明治13)年造。
もとは鎌倉街道にあったものが移設されてきたという。
本殿裏手には由緒に登場した「小野宮廟碑」。
1795(寛政7)年、本宿村に居住していた内藤重喬による建立。
内藤氏は社殿の修復なども行い、後世に社史を伝えるべく、協力者らとともにこの碑を建てたようだ。
境内社は稲荷社が一社。覆屋の中に小祠が納められている。
祭神は保食神。
府中市・小野神社 御朱印。初穂料300円。
本務社・谷保天満宮の授与所で拝受可能。
なお例大祭時のみ、当社境内で印影が違う御朱印が授与されるという情報もあるが、未確認。
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