熊川神社

2017年8月20日

熊川神社

概要

平安時代初期に産鉄族によって祀られた神社で、礼拝大明神と称されていた。
平成27年、境内が映画「ちはやふる -上の句・下の句-」のロケに使用されている。

御祭神 大国主命・市杵島姫命
社格 旧村社
鎮座地 東京都福生市熊川660
最寄駅 JR五日市線 熊川駅
西武鉄道拝島線 拝島駅
URL http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/nishitama/fussa/3267

御由緒

創建年代は不詳。
平安時代初期、多摩川で産鉄を営んでいた部族が、鉄神として白蛇神(宇賀神)を祀った礼拝塚(糠塚)が起源といわれる。
伝承によれば、夜ごと多摩川に雷光が光り、のち老翁が現れ「この付近に守護神あり」といって姿を消した。
そこに御神像が発見されたため生石命と尊称し、大国主命を祭神として一社を創建したという。
幕末までは礼拝大明神と称していたが、1870(明治3)年に熊川神社と改称した。
戦前・戦中は境内青年会館を軍の宿舎に利用され、防空壕も設置された。
空襲にも見舞われたが、社殿はかろうじて被災を免れている。

境内紹介

熊川神社 鳥居と社号標熊川神社 熊川分水
熊川神社 手水舎熊川神社 神楽殿
アクセスは五日市線の熊川駅が最も近い。
駅出口から右手に50mほど進むと、都道29号線(奥多摩街道)に出る。
そこで左折して南下、350mほど先にある横断歩道を渡り、西(多摩川方向)へ。
横断歩道から30mほどで左手の細い路地に入る。
その後道なりに進めば、やがて玉垣が見えてくる。
この玉垣沿いを、社地後方から社頭へ流れているのは熊川分水。
玉川上水からの分水で、1890(明治23)年に開削された。
熊川神社 参道狛犬 阿熊川神社 参道狛犬 吽
熊川神社 拝殿前狛犬 吽熊川神社 拝殿前狛犬 阿
熊川神社 拝殿熊川神社 賽銭箱
熊川神社 本殿覆殿 西側熊川神社 本殿覆殿 東側
1999(平成11)年に現拝殿が造営され、江戸後期造の旧拝殿は改修のうえ弊殿とされた。
覆殿内に収められた本殿は、残されている棟札とその建築様式から、1597(慶長2)年の造営とみられている。
都内現存の神社本殿としては東大和市の豊鹿島神社に次いで2番目に古く、東京都指定有形文化財(建造物)ならびに福生市登録有形文化財となっている。

境内社

熊川神社 琴平神社 鳥居熊川神社 琴平神社
境内社は5社。
社殿向かって左手には琴平神社(大物主命)が鎮座している。
1880(明治13)年に香川県・金刀比羅宮の御分霊が勧請され、かつて西多摩地域で盛んであった養蚕・製糸業の守護神として信仰された。
毎月十日の縁日は森田製糸場の女工らで賑わったという。
熊川神社 稲荷神社・山神社・天神社・八雲神社 鳥居熊川神社 稲荷神社・山神社・天神社・八雲神社 社殿
熊川神社 天神社・八雲神社熊川神社 稲荷神社・山神社
参道東側に稲荷神社(豊受姫命)と山神社(大山咋神)、天神社(菅原道真公)と八雲神社(素盞嗚命)がそれぞれ合殿で祀られている。
向かって左が天神社・八雲神社。
八雲神社は元々牛頭天王社を祀っていたという。
右は稲荷神社・山神社。
山神社は御嶽蔵王権現だったとある。
武蔵御嶽神社の勧請か。

福生七福神

熊川神社は白蛇神(宇賀神)を祀ったのが創祀だが、のちに弁財天と習合し、さらに中世に入り大黒天が配祀された歴史をもつ。
さらにほか五柱の神を昭和時代に祀り、一社で七福神巡拝ができる「福生七福神」となった。
熊川神社 福生七福神 大黒天熊川神社 福生七福神 恵比寿
熊川神社 福生七福神 毘沙門天熊川神社 福生七福神 寿老人
熊川神社 福生七福神 布袋熊川神社 福生七福神 福禄寿
熊川神社 福生七福神 弁財天
神像が境内各所に安置されている他、本殿内にも祀っているという(非公開)。

御朱印

熊川神社 御朱印(福生七福神)

御朱印は参道西側の授与所にて受けられる。
初穂料300円。
墨書きは「福生七福神」の一種のみ。

熊川神社の地図