装束稲荷神社

2015年2月20日


御祭神:宇迦之御魂神
社格:—
所在地:東京都北区王子2-30-14
最寄駅:JR京浜東北線 王子駅
東京メトロ南北線 王子駅
都電荒川線 王子駅前停留場
URL:http://kitsune.tokyo-oji.jp/ ※王子 狐の行列 公式サイト
御由緒:かつて当地一帯が一面の田畑であった頃、一本の榎の木がそびえ立っており、王子稲荷神社の摂社として祀られたのが起こりであるとされる。
毎年大晦日の夜、関東各地から集まって来た神使の狐達がこの榎の下で衣装を改め、関東稲荷総司である王子稲荷神社に参詣したという伝承があり、装束榎と呼ばれていた。
また、狐達が灯す狐火の多少によって、地元の人々は翌年の田畑の豊凶を占ったという。
歌川広重はこの様子を「名所江戸百景」において「王子装束ゑの木大晦日の狐火」に描いている。
明治中期に榎は枯れ、1929(昭和4)年に道路拡張のため伐採されたが、装束榎の碑が現在地に移され、後に装束稲荷神社が創建された。
1945(昭和20)年4月13日の大空襲において、南東より猛烈な勢いで延焼して来た火災が当社の前で止まり、北西部一帯の住民が被災から免れたという逸話があり、火防の神としても崇敬が篤い。
1993(平成5)年から、装束稲荷奉賛会をはじめとした地域の人々の発案によって「王子 狐の行列」が行われている。
これは広重の絵に倣って、毎年大晦日から元日にかけての深夜に、面などで狐に扮した裃姿の人々が当社から出発して王子稲荷に参詣するというもので、年々盛り上がりを見せている。




JRであれば王子駅北口、南北線であれば4番出口から北本通りへ。
すぐに北本通りから一本東側の路地に移り、北進すると角地に社地がある。
「王子 狐の行列」に現れているが、奉賛の名簿、幟旗、狐像に供えられた水など、付近の人々に非常に大切に護持されているのが伝わる。

2015(平成27)年初午祭の様子。
普段は無人であるが、例祭日には奉賛会の方々により栃尾の油揚げなどの販売、社殿後方の授与所では御札や火防凧、手ぬぐいなど授与品の頒布が行われる。

装束稲荷神社 御朱印。初穂料300円。
前年の異常な混雑などが考慮されたためか、書き置き印刷形式のものに変更。
今後も当日境内での直書きによる授与は行われない可能性が高い。

2015(平成27)年に拝受した墨書きによる御朱印。
二色を使い丁寧に書かれていく様子を拝見することができ、筆者にとっては感慨深い御朱印の一つである。
書き手さんお一人に対し、昨今の御朱印ブームの影響で拝受を希望する人がかなりの行列を成した。