廣尾稲荷神社

2014年7月7日


御祭神:宇迦魂之命
社格:旧無格社
所在地:東京都港区南麻布4-5-61
最寄駅:東京メトロ日比谷線 広尾駅
URL:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/minato/3052
御由緒:創建は慶長年間(1596~1615年)江戸幕府二代将軍徳川秀忠が鷹狩りの際、当地に稲荷を勧請したと伝えられる。
麻布宮村の千蔵寺が別当であった為千蔵寺稲荷とも称され、また社地周辺が萩の名所であり、萩が地をナメる様に咲き乱れていたことから「ハギナメ稲荷」という俗称もあったという。
1845(弘化2)年11月24日に発生した大火(青山火事)によって社殿が焼失する。
1847(弘化4)年に再建され、防災の視点から本殿は土蔵造りとされ、これに現存している拝殿が付加されたものであったという。
また、御神木の銀杏も被災し樹幹内部が焼かれたが、外皮のみの状態で再生しこちらも現存する。
1909(明治42)年2月22日、現社号の廣尾稲荷神社に改称した。
1923(大正12)年9月1日の関東大震災により土蔵造りの本殿が著しく破損したため、1925(大正14)年に木造にて再建された。
火事や地震でたびたび被災した当社であるが、幸いなことに第二次大戦においては空襲被害を免れた。
戦後になって現ドイツ連邦大使公邸敷地内に鎮座していた富士見稲荷の御神体が本殿に合祀されている。
なお、この富士見稲荷と廣尾稲荷を同一視する説があるが、これは事実と異なる。
1990(平成2)年11月12日、今上天皇御即位の礼当日、これに反対する過激派による時限発火装置を使用したテロの対象となり、幣殿及び拝殿の床下約五坪を焼失したが、早期発見と消火作業のおかげで全焼は免れた。



東京メトロ広尾駅1番出口から出て、広尾橋交差点を東に。
有栖川記念公園に至る一本手前の道を右に進めばその道沿いに鎮座している。
幾多の災難を乗り越えた社殿や御神木であるが、そんなことを感じさせない非常に穏やかな佇まいである。

拝殿の天井には、江戸後末期から明治中頃まで活躍した日本で最初の「洋画家」といわれる高橋由一による墨龍図(港区指定文化財)が残されている。
若かりし頃の作であるようだが、眺めれば眺めるほど何かが宿っていると感じるのは気のせいか。

境内社は社号不明の稲荷社、本殿後方の道路に面して庚申塔(港区指定文化財)。

廣尾稲荷神社 御朱印。初穂料300円。境内に入った左手の社務所にて。