子安八幡神社(仲池上)

2015年11月21日


御祭神:本陀和氣命
末 社:大比留女命・大己貴命・宇迦之魂命
社格:村社
URL:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/syoukai/11_ota/11036.html
所在地:東京都大田区仲池上1-14-22
最寄駅:都営地下鉄浅草線 西馬込駅
東急バス 森06・07系統 上池上循環 八幡神社前停留所
御由緒:創建は89代後深草天皇の御代、1256(康元元)年6月14日。
当地の領主であった池上右衛門大夫宗仲が池上山(現本門寺内)に鎌倉・鶴岡八幡宮を勧請、池上郷の鎮守としたことにはじまる。
1258(正嘉2)年、天災や飢饉、疫病の流行など凶事が多発する中、懐胎した宗仲の妻も疫病を患う。
宗仲が神前で除病平産を祈願したところ、妻は回復し男児を無事出産したという。
以来、安産を祈願する女性や里人等より篤く崇敬を受け、子安八幡宮と尊称された。
後に宗仲は池上本門寺の礎を築き、当社は永らく同寺の鎮守として本堂影堂のそばに鎮座していた。
池上三院家の一つである大坊本行寺第十三世日侊師は、当社が仏地である本山に鎮座していることに恐懼し、上池上山の浄地(現社地)を選び、1581(天正9)年12月15日に遷座された。
(本門寺内で伽藍を建立する際、池上村根方在住の綱嶋左近の願により現在地に遷されたのが実情とみられる。)
江戸時代の旧別当寺は、現在も隣接する林昌寺(仲池上1-14-17)であり、当時は大比留姫尊を祀り、安産の守札を授与していたという。
その後、明治になり1873(明治6)年7月5日、改めて本陀和氣命を奉斎し村社に列した。
1843(天保14)年造の旧社殿は1925(大正14)年7月30日に惜しくも焼失、1927(昭和2)年9月に鉄筋コンクリート造の現社殿が再建されている。



西馬込駅から住宅地を徒歩10分ほど。
それほどややこしくないが、地図などは必携だろう。
池上駅・馬込駅・池上駅間を循環する東急バスが運行されているので、そちらを利用するのも手である。
社地は小高い台地の突端にあり、かつては崖下を川が流れていたという。
この川跡は「ねがた桜みち」と呼ばれており、参道入口もここに面している。
参道はご覧の通り急な石段。足元に注意して登っていくと狛犬たちが出迎えてくれる。


現社殿の造営は1927(昭和2)年というから、実は同じRC造の神田明神よりも古い。
塗装の劣化が目立っており、いずれ修繕事業などが行われるのではなかろうか。
社殿は珍しく西向き。本門寺の方角はこの神社から見て南東なので、なぜ西を向いているのかは謎である。
境内にはかつて稲荷神社や疱瘡神社が鎮座していたとのことだが、大正末期の火災で末社も焼失したため、本殿に合祀したようである。

子安八幡神社 御朱印。初穂料300円。
境内右手の社務所にて拝受。