北谷稲荷神社
概要
戦国時代に邸内社として創建され、のち上渋谷村と上豊沢村の鎮守となった。
稲荷神を始め五柱を祀り、その他鳥居の形状や、近代建築の社殿等多くの特徴を持つ。
御祭神 | 宇迦之霊大神・大己貴大神・大宮比賣大神・神功皇后・大田大神 |
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社格 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都渋谷区神南1-4-1 |
最寄駅 | JR山手線 原宿駅・渋谷駅 東京メトロ千代田線・副都心線 明治神宮前(原宿)駅 |
URL | http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/shibuya/2065 |
御由緒
正確な創建時期は不明だが文明年間(1469~1487年)、田中讃岐太郎直高が駿河より移住した際に、自邸内に勧請したことに始まるという。
江戸期の1660(萬治3)年大破ののち再建した際の棟札には渋谷村総鎮守であったと記されている。
1945(昭和20)年5月25日の空襲により境内の一切を焼失した。
仮殿にて復興後、1949(昭和24)年9月に旧本殿・幣殿を再建、さらに1957(昭和32)年に学校法人桑沢デザイン研究所と締結した境内地の賃貸借契約金と氏子浄財によって、翌1958(昭和33)年に旧拝殿と神楽殿を造営した。
1997(平成9)年12月設計・菊竹清訓建築設計事務所、施工熊谷組・東急建設により、オフィスビルと一体で造営された現社殿・境内は非常にモダンな意匠となっている。
境内紹介
各線原宿駅もしくは渋谷駅から通称ファイヤー通りへ。
渋谷消防署の60mほど北側にある左に入る小道を進むと、その奥に鳥居が見える。
特徴的な鳥居は「日月鳥居」といい、大変珍しい形式。
階段をのぼって境内へ。
拝所へ進む左手に1850(嘉永3)年造の手水鉢。
優美な曲線を描く片流れ屋根の社殿は流造の派生型と理解すればよいだろうか。
近代的な意匠には賛否があるようだが、神域の空気はしっかりと保たれている。
境内社
社殿右脇の奥に境内社が二社。
天満宮(菅原道真公)・麻疹神社(祭神不詳)は新編武蔵風土記稿に土師家天満宮と記されている。
冠名の「土師家」を「はしか」と考えた人々が麻疹の治癒祈願に多く訪れたという。
小さな祠であるが、参拝せずに素通りできない雰囲気を漂わせる。
一方石祠三基で祀られているのは宇田川出世弁財天。
道玄坂出世弁財天とも。
かつて道玄坂下に松の大木があり、その下に宇田川地蔵(渋谷山東福寺に移転)と共に祀られていたという。
松については古くから汚損する者には祟りがあり、不慮の負傷や原因不明の熱病を発するなどの伝承があり、人喰松と称されていた。
1930(昭和5)年、区画整理の際に神託に従って弁財天と竜神の祠を造り、松と共に神南町に遷し祀った。
のちに松は枯死し、祠は国鉄用地に遷された後行方不明となったが、1975(昭和50)年に渋谷郷土研究会によって発見され、当社の境内に祀られた。
御朱印
北谷稲荷神社 御朱印。初穂料300円。
社殿向かって左手にある社務所で受けられる。
御朱印をお願いし待っている間「寒いでしょうから」とお気遣いいただき、ロビー内でわざわざヒーターまで点けて当らせて下さった。
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