大山稲荷神社

2014年2月3日


主祭神:宇迦之御魂神
社格:—
URL:—
所在地:東京都渋谷区松濤1-7
最寄駅:京王電鉄井の頭線 神泉駅
御由緒:創建、由緒は不明。
当社が鎮座する地域は金王八幡宮の氏子区域であるが、当社の管理の主体は松濤町会のようで通常は無人。
従って御朱印の対応はなし。
社号に冠された「大山」は、1963(昭和38)年まで当地の旧町名だった大山町に由来するものと思われる。
(※現存する渋谷区大山町との関連性はない)
鳥居に「九皋之鶴十朋之亀」(奥深い沢に鳴く鶴も高貴な亀もいずれ世に知られる)の句とともに1794(寛政6)年と記されていることから推測すると、この神社の創建時期は江戸時代後期以前ということになる。

大山稲荷神社 社殿と銘板。
都内有数の高級住宅街、渋谷区松涛に鎮座する稲荷神社である。
渋谷東急本店・Bunkamuraと松濤郵便局の間を観世能楽堂方向に向かう上り坂がある。
これを上る途中右手に都知事公館の建物があり、その右隣にこの稲荷神社が鎮座している。
路面しており、小さいながらも存在感を放つ社である。
基本的に無人ではあるが、地域住民や学生有志ら等による管理が行き届いているようで、荒れた様子はない。

鳥居に刻まれた「九皋之鶴十朋之龜」「寛政六申寅年五月吉祥日」の文字。
戦争による被害を受けることもなく、無人の小祠に江戸の文化財が残されていることに感心する。

覆殿のガラス越しに中を覗くと、白木の美しい神明造り社殿が。

おまけ:観世稲荷神社


大山稲荷にほど近い観世能楽堂の敷地内にも稲荷社が鎮座している。
観世流は室町時代の観阿弥・世阿弥の流れを汲む能楽の流派で、能楽界最大級のホールをここに構え、守護神として京都伏見稲荷を勧請し祀っている。
ちなみに2015年3月末を以て現能楽堂は閉場し、銀座・松坂屋銀座店跡地に建設中の複合ビルに移転する。
この稲荷社も遷座することになるのであろう。