中井御霊神社

2015年8月29日


御祭神:仲哀天皇・応神天皇・神功皇后・仁徳天皇・武甕槌神
社格:旧無格社
URL:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/syoukai/18_shinjuku/18020.html
所在地:東京都新宿区中井2-29-16
最寄駅:西武新宿線 新井薬師前駅・中井駅
都営地下鉄大江戸線 中井駅
御由緒:西暦110(景行天皇40)年、神孫の一族が当地に故郷・大和国の氏神御霊社を鎮斎したのが創祀の起源とされ、古くから落合村小名中井の鎮守であった。
新編武蔵風土記稿に「五霊社はおびしゃ祭を行う、六の日安産の祈祷をなす、神前の紅白の帛布を頒ち、紅布を得れば女子、白布を授かれば男児を挙ぐべしとの伝記があって遠近の賽者が絶えない」との記載がある。
当社に伝わる備射祭(びしゃまつり)は新宿区無形民俗文化財の指定を受けており、現代に伝わる正月(毎年1月13日午後)の弓神事である。
同じ新宿区内で近接する葛谷御霊神社でも、同日に備謝祭が行われる。
歩射で的を射て、その年の豊凶を占い、魔を祓い豊作や安産を祈願する行事となっている。
備射祭で使用された弓弦は安産の御守として希望者に授与される。
なお、備射祭に関連し、使用する的を描く際にコンパスのように用いる「分木(ぶんぎ)」という道具も2本保存されている(新宿区指定有形民俗文化財)。
この分木にはそれぞれ1563(永禄6)年、1620(元和6年)の年紀があり、江戸時代以前にはこの祭が行われていたことを示している。
1830(文政13)年に奉納され、当時の備射祭の様子が描かれた「備射祭絵馬」も現存し、新宿区指定有形民俗文化財となっている。



西武新宿線の新井薬師前駅か中井駅が最寄り。
新井薬師前駅からであれば東の新宿方向へ、中井駅からは反対に西の中野区方向へ線路と並行するように進む。
線路と妙正寺川が交差する辺りに「八の坂通り」という細く急勾配の坂道がある(坂名の案内表示あり)。
これを登りきったところが社頭である。
石造の神明鳥居をくぐると最初の狛犬が出迎えてくれる。

社殿は本殿・幣殿・拝殿で構成された権現造り形式で、新宿区指定有形文化財である。
流造りの本殿は、1718(享保3)年から1810(文化7)年に造営されたと考えられる。
拝殿は1896(明治29)年以前の造営で入母屋造り、幣殿の記録はないが大正時代の建築と伝わる。
新宿区内でも希少な、江戸時代から明治時代の神社建築として重要視されている。

社殿左側には境内社の稲荷神社が鎮座している。
反対右側には三峯社と八雲社の合祀殿が。

中井御霊神社 御朱印。初穂料300円。
境内右手の社務所にて拝受可能。