阿佐谷神明宮

2014年11月6日

概要

御正宮に天照大御神、左右の御殿に須佐之男尊・月読尊と、三貴子を祭神としており全国的にも珍しいという。
祈祷殿には天照大御神の荒御魂と豊受大神も祀られている。

御祭神 天照大御神・豊受大神・月読尊・須佐之男尊
社格 旧村社
鎮座地 東京都杉並区阿佐谷北1-25-5
最寄駅 JR中央線 阿佐ヶ谷駅
東京メトロ丸ノ内線 南阿佐ヶ谷駅
URL http://shinmeiguu.com

御由緒

創建の年代は詳かでない。
江戸時代末期の寛政~天保期に編纂された「江戸名所図会」によれば、日本武尊が東夷征伐の帰路阿佐谷の地で休息し、その後に尊の武功を慕った当地の住人が旧社地に一社を造営し神明宮を勧請したのが始まりとされている。
旧社地はお伊勢の森児童遊園(阿佐谷北5-35-5)や杉森中学校(阿佐谷北5-45-24)付近であった。
御祭神が伊勢神宮と同一であることから「御伊勢の森」と称され、現在も公園や付近の通称としてその名を残している。
建久年間(1190~1198年)には横井兵部(横川、の説もあり)という人物が伊勢神宮に参拝した際、神示があり宮川の流れの中から霊石を持ち帰り神明宮に奉斎したと伝えられ、現在も御垣内中央の御正殿に御神体として安置されている。
その後江戸中期頃、祇海という沙門(僧侶)に神告があり、社地が現在地に遷されたという。
1872(明治5)年11月に村社に列し、明治以降は社号を「天祖神社」と変更されていたが、1990(平成2)年に江戸時代からの呼称である「神明宮」に再度改称した。
2009(平成21)年秋には「平成の大改修」が竣工し、神明造りの御殿・神門が改築され、祈祷殿・能楽殿などが新設された。

境内紹介


JR阿佐ヶ谷駅の北口を出て、目の前を通る中杉通りを北へ。
世尊院前の交差点を右に曲がればすぐに表参道の大鳥居が見える。
一礼して境内に進むとすぐに手水舎。

参道を進む途中に建つ能楽殿は雰囲気がこの上なくいい。
秋空に映えるこの佇まい、ここにも神が鎮まっているかのようである。
能楽殿だけではなく、境内は伊勢の内宮に少し似た空気を湛えているように思う。


瑞祥門(神門)から拝殿へ進む。
拝殿の向こうには御垣内が設けられ三座の社殿が。
古事記における三貴子(天照大御神・月読尊・須佐之男尊)を祀る神社は国内でも希少だそうだ。
社殿については、かつて拝殿と中央の正宮殿は一体だったそうだが、分離させ正宮を遷したという。
正宮の右は月読尊、左は須佐之男尊の摂社御殿となっており、これには旧社殿の古材をできる限り再利用している。
また2015(平成27)年9月、第62回式年遷宮により撒下された瀧原宮(伊勢・皇大神宮別宮)の鳥居が、正宮殿前に建てられた。
なお、拝殿の右脇には伊弉諾命、伊弉冉命、日本武尊が祀られた元宮が鎮座している。

境内社は他に二社。神門に入る手前に猿田彦神社。
参道途中に北野神社。五角形の「合格鳥居」が面白い。

御朱印・御朱印帳

御朱印

阿佐谷神明宮 御朱印。初穂料300円。
拝殿左手の降臨殿(祈祷殿)に併設された授与所にてお願いできる。
神職さん、巫女さんが皆さん笑顔で応対していただき、とても丁寧。
非常に有難いことである。
都内には他にも伊勢信仰系の神社が複数あるが、その中でも規模・雰囲気ともにおすすめの一社だ。

摂社・月讀社

摂社・月讀社の御朱印。
通常時朱の神璽は、十三夜の例祭時には月をイメージした黄色となる。

限定御朱印

なお正月、6月12月の大祓などの神事、大祭その他桜の開花期などには添え書きや印判が追加される。

御朱印帳

阿佐谷神明宮 御朱印帳(大判・12×18cm)。初穂料1,500円。
伊勢神宮より撒下された御神宝の矢を、御朱印帳を奉製した京都の和文具店「嵩山堂はし本」のうさぎが持ち運ぶ意匠。
三色それぞれに違う姿が描かれている。

阿佐谷神明宮 御朱印帳(通常判・11×16cm)。初穂料1,200円。
御祭神の三貴子が鎮まる本殿の千木があしらわれている。
こちらも三色。

阿佐谷神明宮のオリジナル御朱印帳全6種。

阿佐谷神明宮の地図