小野照崎神社

2014年2月25日


主祭神:小野篁命
相 殿:菅原道真命
社格:旧村社
所在地:東京都台東区下谷2-13−14
最寄駅:東京メトロ日比谷線 入谷駅
JR山手線 鶯谷駅
URL:http://onoteru.or.jp/
御由緒:小野照崎神社は、「小野照さま」の名で樋口一葉のたけくらべにも登場する、東京都台東区下谷二丁目に鎮座する神社である。
平安時代前期の公卿・小野篁は、上野国での国司の任を終え帰洛する際、上野照崎(現上野公園付近)の地で暫く居を構え、住民と交流し上野殿と尊称されていた。
852(仁寿2)年に篁が逝去した際、この照崎の住民が小野照﨑大明神と祀ったのが起源とされている。
江戸時代に入り、上野寛永寺建立に際し幕府の下命により、兼務社であった坂本村の長左衛門稲荷神社境内(現在の鎮座地)遷るよう下命があり遷祀された。
江戸末期には、回向院(墨田区両国)より菅原道真自刻と伝わる尊像を相殿に遷祀、江戸二十五天神の一つに数えられた。
現在の社殿は1866(慶応2)年造営と古く、関東大震災や東京大空襲などで都内の多くの寺社が焼失した中、奇跡的に現存している。
なお、当社は「男はつらいよ」の車寅次郎役・渥美清が禁煙することと引き換えに願掛けをしたところ、寅さんの大役を得て出世するきっかけとなった、という逸話でも有名である。

日比谷線入谷駅の4番出口から西に向かって100mほどで到着。
参道は2ヶ所あり、南側が正参道、西側にも鳥居がある。

南側鳥居をくぐった左手に手水舎。
その向かい、東側に社務所、社殿へと続く。


庚申塚と富士浅間神社(下谷坂本富士)。
庚申塚の御祭神は猿田彦命。最古の塔は1647(正保2)年作と云われる。
富士浅間神社は木花開耶姫命のほか大山祇命、磐長姫命、天津彦火瓊々岐命を祀る。
富士塚の保存状態は大変良好で、1979(昭和54)年5月21日、都内の他2ヶ所の富士塚(江古田富士豊島長崎富士)とともに国の有形民俗文化財の指定を受けている。

境内末社。長左衛門稲荷と織姫神社、御嶽・三峰・琴平の三社殿。
長左衛門稲荷は小野照崎神社が遷座する前から当地の地主神として鎮座していた。

小野照崎神社にて頒布されている梅柄の汎用御朱印帳。
初穂料1,000円。

小野照崎神社・下谷坂本富士 御朱印。初穂料各300円。前出の社務所にて受けられる。
下谷坂本富士の御朱印は毎年6月末~7月朔日の山開き時のみ授与される。
富士塚への登拝もこの期間だけである。

とても雰囲気の良い神社であり、地域の人々に愛され守られてきた背景が伺える。
また参拝に伺いたい神社のひとつとなった。