玉姫稲荷神社

2015年2月11日

概要

奈良時代中期の天平宝字4年、京都・伏見稲荷大社より御分霊を勧請し創建された神社。
毎年4月の最終週末に「こんこん靴市」、11月の最終週末に「靴のめぐみ祭り市」が開催されることで有名。

御祭神 宇迦之御魂命
社格 旧村社
鎮座地 東京都台東区清川2-13-20
最寄駅 JR常磐線 南千住駅
東京メトロ日比谷線 南千住駅・三ノ輪駅
つくばエクスプレス 南千住駅
都電荒川線 三ノ輪橋停留所
URL http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/taito/3224

御由緒

760年(天平宝字4)年、京都・伏見稲荷大社より御分霊を勧請し創建されたという。
1333(正慶2)年に新田義貞公(新田神社の御祭神・新田義興公の父)が、鎌倉の北条高時追討の折に当社で戦勝を祈願し、弘法大師直筆という稲荷大神の像を瑠璃の玉塔に奉納したことが「玉秘め」の社号の由来となったとされる。
江戸時代に発刊された地誌「江戸砂子増補」によれば、王子稲荷神社と神縁があるとも伝わる。
また「江戸名所花暦」「江戸名所図会」など、著名な地誌にも当社の記載がある。
1872(明治5)年、村社に列格した。
社殿は1911(明治44)年に新吉原で発生した大火や1923(大正12)年の関東大震災、さらには1945(昭和20)年3月10日の空襲によって、たびたび焼失しており、1952(昭和27)年5月に現社殿が再建された。

境内紹介


最寄りの南千住駅からはおおよそ1kmほどの距離。
日比谷線三ノ輪駅や都電荒川線の三ノ輪橋停留所からは徒歩15分程度。
明治通りと旧日光街道(都道464号線)が交差する泪橋交差点から、南東200m強の住宅街に鎮座する。
ちなみに社頭の前の道路は「玉姫稲荷神社通り」との通称があるようだ。
社地の前方半分は貸駐車場として供用されており、至近に高層建築もないため面積以上の広さと開放感を感じさせる。

手水舎の脇には漫画「あしたのジョー」の矢吹丈と白木葉子のパネルが。
ジョーの所属する丹下ジムは泪橋近くにあったという設定にちなみ、近年付近の商店街では同作品のふるさととして、イベント開催なども行われている。


朱色の神前幕が珍しい拝殿。
二度参拝したが日中は拝殿の扉を開放しているようだ。

境内社


拝殿の左手隅に末社の八神殿が鎮座する。
その名の通り、八つの神社を合祀している。
白山神社(菊理媛神・伊邪那岐神・伊邪那美神)
八幡神社(応神天皇・神功皇后・比売大神)
八坂神社(須佐之男命)
春日神社(経津主命・天児屋根命・武甕槌神・比売神)
金刀比羅神社(大物主神・崇徳天皇)
松尾神社(大山咋神・市杵嶋姫命)
天祖神社(天照大御神)
王子神社(宇迦之御魂神・宇気母智之神・和久産巣日神)
王子神社というのは御祭神から推測すると、王子稲荷神社を勧請しているのであろうか。


そして境内にはもう一社、摂社の口入稲荷神社も鎮座する。
かつて新吉原の高田屋という口入宿(当時の職業安定所)に稲荷社があったが、安永年間(1772~1780年)のある夜、店主が夢で「玉姫稲荷に遷すように」と告げられたため、これに従いその年の11月20日に遷座したという。
口入稲荷の拝殿前には水神宮と若宮八幡大明神の石祠も。

よく見ていないと見逃してしまうのだが、社殿右には細い参道があり、奥に進むと狐穴もある。

御朱印

玉姫稲荷神社の御朱印は境内右手の社務所にてお願いできる。
初穂料300円。
口入稲荷神社の社号印も併せて捺されている。

玉姫稲荷神社の地図