波除稲荷神社(波除神社)
概要
江戸時代初期に現社地一帯を埋め立てる際、波の激しさに難航していた工事が、海上で見つかった御神体を祀ったところ順調に進んだことから「波除」の名が冠せられた。
御祭神 | 倉稲魂命 |
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社格 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都中央区築地6-20-37 |
最寄駅 | 都営地下鉄大江戸線 築地市場駅 東京メトロ日比谷線 築地駅 都営地下鉄浅草線 東銀座駅 東京メトロ有楽町線 新富町駅 |
URL | http://www.namiyoke.or.jp/ |
御由緒
徳川江戸入府直後の1592(文禄元)年から着手された江戸前海埋立において、築地海面での工事は困難を窮め、堤防を築いてもそのたび激しい波に破壊されたという。
ある夜、光を放ち海面を漂う稲荷大神の御神体が発見され、現在地に社殿を造営、奉斎された。
以後、波風は収まるようになり工事は進み、1659(万治2)年埋立が終了した。
このことから稲荷大神に「波除」の尊称を奉り、「災難を除き、波を乗り切る」波除さまとして、災難除・厄除・商売繁盛・工事安全等の御神徳に崇敬が篤い。
旧社殿は関東大震災で焼失し、1937(昭和12)年に現社殿が再建されている。
境内紹介
日比谷線築地駅(1番出口)もしくは大江戸線築地市場駅(A1出口)から新大橋通りを進み、「市場橋」交差点を目指す。
そこから場外市場の各店が並ぶ通称・波除け通りへ。この通りの突き当たりに波除稲荷は鎮座している。
市場へ来た観光客らも足を運び、外国人参拝者の姿もあって、市場同様なかなかの賑わい。
境内へ進むと、左右に大きな獅子頭が。
手水はどこか…?と、ちょっと戸惑うが左の雌獅子・お歯黒獅子が摂社・弁財天社を兼ね、かつ手水場となっている。
ちなみに、お歯黒獅子の宝珠の中に祭神である市杵島姫命の御神像が収められているそうだ。
右側は獅子殿となっており、雄獅子である厄除天井大獅子が収まっている。
築地地区は関東大震災で日本橋魚河岸をはじめとする市場群が壊滅した後、首都圏の台所を担う市場として発展してきたわけだが、境内左手には市場関係者らから奉納された海産物等にまつわる碑が多く並ぶ。
弁天社すぐ脇には玉子塚と末社の天祖神社(天照大神・大国主命・少彦名命・天日鷲命)、続いてすし塚・海老塚。
鮟鱇塚、活魚塚、蛤石、おきつね様と称される小祠、昆布塚。
築地市場の成長を見守って来た御神徳の高さと、その神恩に感謝する市場の人々の崇敬の篤さが伺い知れる。
それぞれの碑から、取り扱ってきた食材への思い、感謝の心が伝わってくる気がするのだ。
水産関連ではないが、牛丼の吉野家の創業店・築地一号店が市場内にある縁で、吉野家の奉納碑も建立されている。
御朱印
波除稲荷神社の御朱印は初穂料300円。
2014(平成26)年には達筆で「築地」と書かれたが、現在は押印のみ。
摂社・波除弁財天社の御朱印は2016(平成28)年から授与を開始された。
いずれも拝殿右手の授与所にてお願いできる。
限定御朱印
正月には波除神社・弁財天両社の限定御朱印が書き置き形式のみで授与される。
また五節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)や例大祭、十五夜などで限定御朱印が出される。
境内末社に奉斎された天日鷲命にちなみ、毎年11月には酉の市が開かれるが、2016(平成28)年より限定の御朱印が授与されるようになった。
祭事・節句
七福神参り
七福神の「七」にちなみ、毎月7日は各月ごとに定められた御神像一体の御開帳が行われ、その神様の御姿が書かれた御朱印が授与される。
なお、7日は七福神の御朱印のみの授与となり、通常の御朱印は出されない。
2月 大黒天大祭 | ||
8月 寿老人 | 10月 布袋尊 | |
11月 獅子殿大祭 | 12月 弁財天大祭 |
夏詣
2017(平成29)年より夏詣に賛同、御朱印の授与が開始された。
波除稲荷神社の地図
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