水神社(南大井)
御祭神:水葉乃女命
社格:大井鹿嶋神社 境外末社
URL:http://suijin.chokai.gr.jp/3/1.html (※大井水神町会の公式ページ)
所在地:東京都品川区南大井5-14-19
最寄駅:JR京浜東北線 大森駅
御由緒:1685(貞享2)年に旧大井村の村民であった桜井伊兵衛・大野忠左衛門の両氏が願主となり九頭龍権現を勧請奉斎し、当社を創建したといわれている。
当地の池に湧出していた地下水は、そばに柳の樹があったことから江戸時代から「柳の清水」と称され、村民が飲用や農業用水として利用していたといい、干ばつ時にも枯れなかったとされ、雨乞い祈願の他、歯痛止めの御利益があったという。
明治以降、御祭神は水葉乃女命に代わったが、日照りの際に雨乞いをする風習は続いたという。
1975(昭和50)年頃には湧水は枯渇してしまい社殿等施設も荒廃していたことから、翌1976(昭和51)年に境内整備が行われ、ポンプを設置し地下水を汲み上げる形で、水源も維持された。
1988(昭和63)年にも水神社奉賛会による整備が行われており、植栽・照明などが整えられた。
1978(昭和53)年11月22日には「大井の水神」として品川区の文化財指定(史跡13号)を受けている他、1987(昭和62)年に「しながわ百景」にも選出されている。
大森駅東口から線路沿いを北の大井町方向へ約1km進む。
水神公園端の交差点、右手前方に豊かな緑が見える。
東側に参道があり、趣のある社号碑、鳥居の脇にある先代の手水鉢には蛙の彫刻があしらわれており、ちょっと珍しい。
復活された「柳の清水」池は周囲を金網に覆われ、ぱっと見は美しくない。
しかし、近づいて網目から眺めれば、豊かな緑に囲まれた池に豊富に湧き出す水、鯉や金魚の優雅な姿に心が和む。
手水は御神水としても利用可能なようだが「飲料水として使用する場合は煮沸してから」の注意書きが。
社殿は溶岩で造られた小洞に祠が組み込まれた形式。
その脇にはホウライシダに覆われた小滝から湧水が滴り、「九頭龍大権現」と彫り込まれた石祠が並ぶ。
創建時はこのような小祠から始まったのであろうか。
また、拝殿前には井戸が置かれ、底からゆらゆらと水が静かに湧き出しており池に注がれている。
※南大井水神社の御朱印は対応なし。
鹿嶋神社の境外末社ではあるものの、独自の由緒を持ち、水神の気を感じられる良社であった。
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