穴澤天神社


御祭神:少彦名命
相殿神:大己貴命・菅原道真公
社格:延喜式内小社・旧郷社
所在地:東京都稲城市矢野口字小沢峯3292
最寄駅:京王相模原線 京王よみうりランド駅
JR南武線 矢野口駅
URL:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/syoukai/25_minamitama/25191.html
御由緒:BC389(孝安天皇4)年3月の創建とされる古社で、延喜式神名帳に記された武蔵國多磨郡八座の「穴澤神社」に比定されている。
論社として国立市谷保の谷保天満宮、あきる野市深沢の穴沢天神社、奥多摩町氷川の羽黒三田神社がある。
少彦名命を祀ったことから天神社と称するが、本来は穴澤神(土地神)を祀っていたとする異説がある。
1590(天正18)年に社殿が再建された後、1694(元禄7)年に社殿の造営が行われた際、菅原道真公が合祀された。
境内下を流れる三沢川の右岸に巌窟があり、社号に冠された「穴澤」はこれに由来しているという。
当初の巌窟は崩れ、現在の巌窟は再建されたもので石仏の安置跡が残っている。
巌窟内の石仏像は1871(明治4)年、神仏分離令によって旧別当であった威光寺(現・稲城市矢野口2454)に遷されている。
この時、威光寺境内に横穴式古墳を掘り拡げて作られた弁天洞窟は「新東京百景」に選出されている。
1873(明治6)年、郷社に列せられ、1918(大正7)年には国安神社(大己貴命)が合祀された。
1986(昭和61)年12月には社殿の修復が行われた。


最寄りは京王よみうりランド駅。改札を出て右手、コンビニのある角でまた右に。
しばらく行くと当社の看板が掲げられているが、ここは自動車用参道の案内。
さらに進むとやがて三沢川に合流するので、右岸づたいに数十m歩けば鳥居にいたる。
社地は天神山の山腹に開かれているため、正参道からの参拝は急な石段を登ることになる。


境内宝物殿脇には1863(文久3)年建立の筆塚(市指定文化財)も安置されている。
手水舎は拝殿手前に。

里山に静かにたたずむ社殿。この山は「小沢城趾」という城跡でもある。
源頼朝の重臣・稲毛三郎重成、もしくはその子・小沢小太郎が築城したといわれ、現在は遺構がいくつか残っている。

境内社は4社。二の鳥居付近に神明神社と山王神社。
手水舎そばには稲荷神社。


神明神社・山王神社の脇から下へ続く「辨天坂」という石段が設けられている。
由緒に登場する巌窟が辨天社となっており、入口に神像、巌窟内には小石祠が祀られている。
また、このそばから湧出する御神水は、東京の名湧水57選に選ばれている。

穴澤天神社 御朱印。初穂料300円。
境内左手の社務所にて受けられる。
清き水と深い山林に包まれ、よい環境が維持されている古社である。
よみうりランドが開発行為を行っているのが少々気がかりである。