十二社熊野神社(新宿熊野神社)

2014年5月6日

十二社熊野神社
御祭神:櫛御気野大神(素戔嗚大神)・伊耶那美大神
社格:旧郷社
所在地:東京都新宿区西新宿2-11-2
最寄駅:都営地下鉄大江戸線 都庁前駅・西新宿五丁目駅
東京メトロ丸ノ内線 西新宿駅
URL:http://12so-kumanojinja.jp/
御由緒: 室町時代の応永年間(1394~1428年)に中野長者と呼ばれた紀州出身の商人・鈴木九郎が、故郷である熊野三山より十二所権現を勧請し祀ったのが創建と伝えられるが、これには異説も存在する。
鈴木家は熊野三山の祠官を務める家柄であったが、源義経に従ったため、奥州平泉より東国各地を敗走することとなる。
そして九郎の代に現在の中野坂上~西新宿一帯付近に定住して当地一帯を開拓し、産土神である熊野三山より若一王子宮を勧請した。
その後鈴木家は、中野長者と称されるほどの資産家になったため、1403(応永10)年熊野三山の十二所権現すべてを祠ったという。
江戸時代には、熊野十二所権現社と称されるようになり、幕府による社殿の整備や修復も行われ保護を受けている。
また、享保年間(1716~1735年)には八代将軍徳川吉宗が鷹狩を機会に参拝するようになったという。
滝や池を擁した周辺の風致は、江戸西郊の景勝地として多数の料亭や茶屋が立ち並ぶようになり、明治時代以降花街として発展を遂げ戦前まで賑わったという。
十二社(じゅうにそう)は付近の地名にもなり、現在でも通りなどにその名を残している。
明治維新後、現在の櫛御気野大神・伊邪奈美大神を祭神として、社号を熊野神社と改称した。
1945(昭和20)年5月の空襲では社殿・末社の被災は免れたが神楽殿・社務所を焼失している。
昭和30年代後半から40年代前半にかけ旧淀橋浄水場跡地を中心とした新宿副都心開発計画により、社地400坪が道路用地として接収され、社殿など境内諸施設を移築している。
十二社熊野神社 参道十二社熊野神社 鳥居
新宿中央公園の北西の端、十二社通り沿いに鎮座しており、都内でも有数の高層ビル群を氏子地域に抱える。
地下鉄から来るならば、方南通りをまっすぐ公園を目指して歩けば迷うことはない。
緩やかな坂になった参道を進み鳥居をくぐると、開放感のある境内の先に拝殿が見える。
十二社熊野神社 神楽殿十二社熊野神社 手水舎
境内左手に神楽殿、その奥に手水舎がある。
十二社熊野神社 狛犬 吽 十二社熊野神社 狛犬 阿
社殿を護る狛犬は1804(文化元)年9月の奉納。
十二社熊野神社 拝殿十二社熊野神社 本殿
現拝殿は、1934(昭和9)年に明治神宮の改築による古材を譲り受け、造営された。
十二社熊野神社 境内社十二社熊野神社 弁財天社
境内社は三社が鎮座している。
数年前まで拝殿の右脇に滝と池があり、その中央に弁財天社(市杵島姫神)が祀られていたが、境内整備に伴って縮小され遷された。
十二社熊野神社 大鳥三社十二社熊野神社 胡桃下稲荷神社
その奥に大鳥三社(大鳥連祖神)と胡桃下稲荷神社(宇迦之御魂命)が鎮座。
この大鳥三社にちなみ、11月には授与所にて熊手守が頒布される酉の市が行われる。
十二社熊野神社 御朱印
十二社熊野神社 御朱印。初穂料300円。
参道を挟み、神楽殿の向かい側に授与所があるのでそちらでお願いできる。