二宮神社(小河大明神)

2017年3月27日

二宮神社(小河大明神)
御祭神:国常立尊
社格:旧郷社・武蔵国二之宮
所在地:東京都あきる野市二宮2252
最寄駅:JR五日市線 東秋留駅
URL:http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/nishitama/akiruno/3261
御由緒:創建年代は不詳。
武蔵総社六所宮(現・大國魂神社)に「二宮 小河大神」として配祀されており、「武蔵国二之宮」とされている。
明治期までは二宮大明神、または鎮座地である小河郷に因み小河大明神と称された。
古伝によれば、藤原秀郷は天慶の乱平定のため下向した折、生国である近江国・山王二十一社中の二宮を尊崇していた縁から当社で戦勝を祈願した。
また、乱平定後にはその奉賽として社殿や玉垣を造営したという。
降って源頼朝や北条氏政も篤く崇敬し、北条氏照は滝山城主となった際、同氏の祈願所としている。
1591(天正19)年徳川家康より朱印領十五石を附され、以後代々継承されてきた。
江戸時代には寛永年間(1624~1645年)及び1660(万治3)年、1719(享保4)年と度々社殿の修復が行われている。
1870(明治3)年、二宮神社と改称した。
毎年9月8~9日に行われる例大祭は「しょうが祭り」と呼ばれる。
神饌として「牛の舌の形をした餅」「子持ちの里芋」「葉根付き生姜」を奉納する風習があり、生姜売りの露店が立ち並ぶ。
また都内で唯一伝承されている農村歌舞伎「秋川歌舞伎(東京都指定無形民俗文化財)」も奉納される。
二宮神社(小河大明神) 鳥居と社号標二宮神社(小河大明神) 手水舎
最寄駅は五日市線の東秋留駅。
駅改札を右に出て、ロータリー前の道を熊川方向へ250m強進むと都道168号線に合流する。
ここから左手約70mほど先に鳥居と社号標が建っている。
余談だが、東秋留駅舎南側にある臨済宗の寺院・神護山普門寺は、1269(文永6)年北条時宗によって二宮神社の跡地に建てられ、山号もこれに由来するとの説がある。
二宮神社(小河大明神) 境内二宮神社(小河大明神) 東京都指定旧跡「二宮神社と城跡」
境内地については、鎌倉・室町期の武蔵国目代・守護代を務めた大石氏の居城、二宮城の城跡との伝承がある。
二宮城は武蔵七党のうち西党に属した二宮氏が居館し、のち大石氏中興の祖・信重が入領後は5代に亘って居城とした。
1955(昭和30)年に東京都指定旧跡となり、1972(昭和47)年には境内の一角が発掘調査されたが、城跡を裏付ける史料や遺構は発見されていない。
しかし、小型の金銅製薬師如来像などが出土し、像は小河大明神の御正体と推測されている。
なお、二宮地区南東に「御屋敷」との古地名が残る場所があり、1983(昭和58)年の発掘調査で、14世紀の居館跡、土塁や空堀等の防御施設跡がみつかっている。
二宮神社(小河大明神) 筒粥の篠竹説明書き二宮神社(小河大明神) 筒粥の篠竹
1月15日早朝には特殊神事「筒粥神事」が行われる。
三又に組んだ竹に鉄鍋を吊るし、白米と32本の篠竹筒を入れて粥を炊いたのち、引き上げた竹筒を割る。
篠竹の中につまった粥の分量で農作物31種の作況と世の吉凶を占い、その結果は節分の際に氏子や参拝者へ配布される。
また、粥を炊いた薪火は「どんど焼き」の種火にも用いられる。
二宮神社(小河大明神) 狛犬 吽二宮神社(小河大明神) 狛犬 阿
二宮神社(小河大明神) 拝殿二宮神社(小河大明神) 本殿
拝殿前には1938(昭和13)年奉納の狛犬が一対。
江戸時代に造営された本殿は、あきる野市の文化財指定を受けている。
その内部には同じく市指定文化財の宮殿一棟が納められており、建築様式の特徴から室町時代後期以前のものと見られている。
二宮神社(小河大明神) 御神木と荒波々伎神社二宮神社(小河大明神) 荒波々伎神社
境内社・荒波々伎神社の御祭神は豊磐窓命・櫛磐窓命。
ここでは門守神としての性格を持つのだろう。
その一方で、アラハバキ神の特徴である足の神としての信仰もみられる。
二宮神社(小河大明神) 合祀殿 鳥居二宮神社(小河大明神) 合祀殿
二宮神社の拝殿そばには伊勢神社(大日孁命)・八幡神社(応神天皇)・八雲神社(素盞鳴尊)・天津社(天穂日命)・稲荷神社(倉稲魂命)の合殿が祀られる。
二宮神社(小河大明神) 稲荷神社二宮神社(小河大明神) 諏訪神社
境内北端の一角には稲荷神社(倉稲魂命)、諏訪神社(建御名方命)も鎮座する。
二宮神社(小河大明神) お池入り口二宮神社(小河大明神) お池
二宮神社(小河大明神) 東京の名湧水57選選出の湧水二宮神社(小河大明神) 御手洗池
都道を挟み鳥居のほぼ向かい側に「お池」「御手洗池」などの呼び名を持つ湧水池を湛えた遊園がある。
日本武尊東征の折に当地を訪れ、国常立尊を祀ったところ湧出したとの伝承を持つこの池は、水量も豊富で高い透明度を誇り、東京の名湧水57選にも選定された。
新編武蔵風土記稿の中でも触れられ、いかなる旱魃にも涸れたことがないとされる。
二宮神社(小河大明神) 社宮橋二宮神社(小河大明神) 社宮社
池のほとりにも一社、社宮社が鎮座する。
石凝姥命(イシコリドメノミコトという珍しい御祭神。
石凝姥命は三種の神器のひとつ、八咫鏡を作った神だ。

あきる野市二宮神社 御朱印
あきる野市二宮神社 御朱印。初穂料300円。
境内右手の社務所にて授与されるが、通常はほぼ不在で、月に1~2回授与日が設定される。
御朱印を受けたい場合は、事前に日程の情報集めが必要だ。