上板橋御嶽神社(桜川御嶽神社)


御祭神:金山彦命・金山姫命・倭健命
社格:旧無格社
所在地:東京都板橋区桜川1-4-6
最寄駅:東武鉄道東上線 上板橋駅
東京メトロ有楽町線・副都心線 氷川台駅
URL:http://www.tokiwadai-tenso.or.jp/mitake.html
御由緒:創建年代は不詳。
1456(康正2)年、大田道灌による江戸城築城の際、千代田村・宝田村・祝田村はその用地となった。
居住していた宝田姓を名乗る一族は上板橋村栗原に移され、祀っていた稲荷神社(宝田稲荷神社)を石神井川を見下ろせる小高い丘の上(現・城北中央公園内)に遷座させたという。
当時付近には神社がなく、この稲荷社に参詣する人が多く賑わいをみせた。
しかし同社は宝田一族の神社だったことから、栗原七軒屋の人々が武州御獄山(信州および甲州説も)から勧請して祀ったのが当社であると伝えられる。
以降当社は旧上板橋村栗原・七軒屋の氏神として崇敬された。
(※宝田稲荷神社は現在桜川3丁目の個人宅内に鎮座している。)
毎年3月8日には、大根で作った鶴亀(逢来山)や強飯式の面影を残す大盛飯の膳を神前に供える特殊神事「毘射祭」が行われる。

上板橋駅南口から、昭和の風情が残る上板銀座商店街を抜け、川越街道を横断する。
そこからさらに南へ約350mほど先、都立城北中央公園内テニスコート北隣にある丘が鎮座地。
板橋区内の神社には他地域にくらべ仏教系の石造物が多く残されているが、当社も参道入口のすぐ右手に1788(天明8)年造の不動明王像を祀っている。
傍らには小石祠もあるが、なにを祀っているかは不明。


そして山岳信仰の象徴ともいえる1960(昭和35)年造の狼像が手水舎脇に。
手水舎後方の木の根元には無造作に力石が置かれている。


規模の大きな都立公園に隣接していることもあってか、常駐の管理者はいないものの、よく整えられている。
ちなみに社地はあくまで神社の所有で、公園の敷地ではない。

石段を上った先に、もう一対のおいぬさま。1986(昭和61)年造。


社殿向かって右手にある小さな覆屋には1854(嘉永7)年銘の狼像が収まる。
下新倉(埼玉県和光市)の石工・石田栄蔵が制作し、当時神社の肝煎を務めていた宝田氏・木下氏が中心となり奉納したもので、板橋区の登録有形民俗文化財となっている。
デフォルメされたキャラクターのようだが、その一方で土偶や祭祀器のような神聖さを併せもつ容姿。


境内社は二社。天祖神社は天照大御神を祀る。
小祠ながら神気が強い。

神楽殿脇には稲荷神社。御祭神は宇迦之魂命。

上板橋御嶽神社(桜川御嶽神社)御朱印。初穂料300円。
本務社・ときわ台天祖神社にて授与されている。朱印はなく墨書きと御嶽神社宮司印のみ。
当社の正式な社号は地名等が冠されない「御嶽神社」。
ときわ台天祖神社のサイトには「上板橋御嶽神社」と記載されているが、これはおそらく便宜上であろう。
ネット上の各メディアなどには「桜川御嶽神社」との記載が散見されるため、本記事では両方を併記した。