稲荷森稲荷神社(とうかもりいなりじんじゃ)

2015年11月26日


御祭神:宇迦之御魂神
社格:単立神社
URL:http://www.h4.dion.ne.jp/~inari/
所在地:東京都世田谷区桜丘2-29-3
最寄駅:小田急小田原線 千歳船橋駅
御由緒:創建年代は不詳。
社地付近はかつて菅刈庄と呼ばれた荘園であり、当社は「菅刈社」と呼ばれていたとされる。
「新編武蔵風土記稿」の世田ヶ谷村の頁では、菅刈社について字横根の地に鎮座する小祠だったことの他、「菅刈」が当地一帯の庄名であることから、社号に冠した当社は古い社であろうことなどを記している。
また、奥州に落ちた源義経を追って来た静御前が当社で一夜を明かした、とする古老らによる伝承もあるが、真偽は定かではない。
明治時代に入ると政府によって社地の大半が接収されてしまう。
さらにその後の神社合祀政策によって、1907(明治40)年には世田谷八幡宮への合祀が図られるが、氏子有志が結束して反対した結果、独立が護持された。


千歳船橋駅出口を左(南側)に向かい、駅舎に沿う道路を横断し左へ。
すぐに右脇に入る路地があるのでこれを突き当たりまで。
そこで左を向けば社頭が目の前。実に駅近な神社である。
現在では駅や商店街に囲まれているが、昭和20年代初頭まで稲荷森(とうかんもり)と呼ばれる深い社叢を有し、湧水池もあったとされる。
神社付近の黒駒街道を往来する人々は、この森を雨宿りや暖をとる休憩所として利用していたという。
現社号はこの森に由来するが、社号の読みは「とうかもり」である。



現社殿は1969(昭和44)年に造営された。
旧社殿は神輿庫に改造され、本殿内宮は境内末社として祀られている。
神輿庫には直径約2m・重量2tという大太鼓「あ・ん太鼓」が保管されている。
新調当時は全国で三番目だったそうで、現在でも東京23区内では最大とのこと。
1980(昭和55)年に結成された「横根睦」の有志が、約4年かけて古紙回収を行った資金と寄付金で製作、奉納された。
この大太鼓は当社例大祭はもちろん、8月に開催される世田谷区民祭でも活躍するそうだ。

稲荷森稲荷神社 御朱印。初穂料は300円を納めた。
境内左手の授与所にて拝受可能。