利田神社
御祭神:市杆島姫命
社格:旧無格社
所在地:東京都品川区東品川1-7-17
最寄駅:京浜急行電鉄本線 北品川駅
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御由緒:1636(寛永3)年9月6日、東海寺(現・北品川3-11-9)の沢庵禅師によって創建され、洲崎弁財天と称されていたと伝えられる。
当地付近は1774(安永3)年から1834(天保5)年にかけて埋め立てが行われ、開墾を主導した南品川宿の名主・利田吉左衛門の姓から「利田新地(かがたしんち)」と呼ばれた。
鎮座地は旧目黒川の河口に形成された砂嘴の突端部で、歌川広重作の名所江戸百景・第83景「品川すさき」にその風景が描かれている。
明治に入り、神仏分離令により祭神を市杆島姫命に改め、社号も土地の呼称から「利田神社」に改称した。
北品川駅で降り、東海道・品川宿の風情が残る北品川の町を横目に、海側へ徒歩5分ほど。
舟宿が軒を連ねる天王洲運河の最奥部に当社が鎮座している。
社地には社殿のほか、末社の稲荷社が一社。
第一京浜や港南地区の高層ビル街も徒歩圏内というのがウソのように静かな場所。
当地はかつて品川浦とも呼ばれ、1655(明暦元)年に伝馬役を拒否した人々が移住させられ南品川漁師町ができた後、海産物を幕府の御膳所へ献上する「御菜肴八ヶ浦」のひとつとなった。
境内には鯨塚が安置されている。
1798(寛政10)年5月1日、品川沖に暴風雨の影響で一頭の大鯨が迷い込んだ。
漁師達はこれを岸に追い込み捕らえたところ、多くの見物人が集まったという。
この騒動は江戸市中に伝わり、かわら版が出されるなど大きな話題となった。
浜御殿(現・浜離宮恩賜庭園)まで移送され、11代将軍・徳川家斉が上覧したのちに鯨は解体され、残った骨が境内に埋められた。
その後、鯨の供養を目的にこの塚が建立され、東京都内に現存する唯一の鯨碑として、品川区の指定有形文化財となっている。
※無人社のため、御朱印対応はなし。
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