江島杉山神社

2017年1月22日墨田区

江島杉山神社
御祭神:市杵島比売命
相殿神:倉稲魂命・大国主命・杉山和一大人命
社格:旧村社
所在地:東京都墨田区千歳1-8-2
最寄駅:JR総武線 両国駅
都営地下鉄新宿線 森下駅
都営地下鉄大江戸線 森下駅
URL:http://ejimasugiyama.shin-to.com/
御由緒:当社は江ノ島弁財天(江島神社)の御分霊と、同社を篤く崇敬した杉山和一検校(鍼の施術法である管鍼術を創始し、世界初の視覚障害者教育施設といわれる「杉山流鍼治導引稽古所」を開所した)を祀った神社である。
杉山和一は幼少期に病気が原因で失明し、江戸や京都で鍼術を学んだ後に開業し、大評判となった。
その名声を聞いた5代将軍・徳川綱吉は、和一を扶持検校として召し抱え、自身の治療にあたらせた。
1682(天和2)年、綱吉による鍼治振興令を受け、それまでの私塾を「杉山流鍼治導引稽古所」に発展させている。
1692(元禄5)年には盲人男性の互助組合組織「当道座」の長である惣検校(※盲官の最高位)に任ぜられ、組織の再編改革をはじめ、鍼灸・按摩術、地歌三弦・箏曲・胡弓楽・平曲などの音曲家の育成にも尽力した。
和一の施術に感心していた綱吉は、ある時「何か欲しいものは無いか」と尋ねた。
和一から「唯ひとつ、目が欲しい」との答えを聞いた綱吉は、1693(元禄6)年、望みを叶える代わりに本所一つ目の地1,892坪余および河岸附792坪余の所領を与える。
綱吉は、すでに高齢であった和一が江戸から江ノ島まで月参りを続けていたのを案じており、当地に江ノ島弁財天を勧請し古跡並みとするよう取り計らった。
和一が拝領した土地の西半分980坪余りに創建されたのが当社で、「一つ目弁天社」と呼ばれた。
なお、東半分の土地には関八州における当道座の統括機関・惣録屋敷が建てられている。
和一はこの翌年、1694(元禄7)年に逝去し、のちに弟子たちは敷地内に「即明庵」を建立し和一を祀った。
明治維新後の1871(明治4)年11月、新政府は盲人官職を廃止する。
これに伴い京都職屋敷や江戸惣録屋敷は没収されたが、弁財天社は残され「江島神社」と改号、1874(明治7)年10月には村社に列せられた。
1890(明治23)年、廃絶した即明庵に代わり、境内に杉山和一大人命を祭神として祀る杉山神社が創建された。
1926(大正15)年、関東大震災により社殿が焼失した杉山神社が再建される。
1945(昭和20)年3月、空襲によって両社殿などを焼失、1774(安永3)年築造の岩屋も破損した。
1952(昭和27)年、「江島神社」に「杉山神社」が合祀され江島杉山(えじますぎやま神社と改号する。
1964(昭和39)年11月、破損していた岩屋の修復整備が完了した。
2010(平成22)年には「杉山和一検校生誕四百年記念祭」を挙行している。
江島杉山神社 鳥居と社号標江島杉山神社 南参道
兼務社である初音森神社の本殿と非常に近く、徒歩で200m弱ほどの距離にある。
最寄りの森下駅A2出口を出て右手、最初の信号を右折する。
そのまま約300m強直進し、二つ目の信号で左折して200mほど先に南側の参道がある。
JR両国駅からは東口を出て右に進み、すぐに左折して南に向かう。
国道14号京葉道路を歩道橋で横断、さらに首都高7号小松川線の高架下を通過後、最初の信号を右折した50mほどで南参道にいたる。
南参道の入口から西に50mほど進んだ突き当たりで右折し、少し歩くと西側からの参道がある。
両側をアパートに挟まれて目立たないが、社号標があり社殿と正対しているこちら側が表参道だろう。
江島杉山神社 二の鳥居江島杉山神社 贈正五位杉山検校頌徳碑
江島杉山神社 昭和30年狛犬 阿江島杉山神社 昭和30年狛犬 吽
西参道と南参道が合流する二の鳥居付近には頌徳碑がある。
1924(大正13)年2月11日、東宮(昭和天皇)御成婚の際、杉山和一へ正五位が追贈されたのを記念して造立された石碑だ。
碑文は点字にて記されており非常に珍しい。
江島杉山神社 手水舎江島杉山神社 銭洗泉
手水舎の後方には銭洗も。
混んでいないので洗い放題。
江島杉山神社 太鼓橋江島杉山神社 力石
江島杉山神社 弁財天像と美玉洗江島杉山神社 弁財天坐像
南参道には太鼓橋を通って拝殿前までいたる細道もある。
また、1815(文化12)年奉納の力石は九三貫(約349kg)と刻まれており、墨田区内に現存する力石では最も重いものだという。
橋が架けられた弁天池のほとりには弁財天の石像、そして授与品の勾玉を洗う美玉洗の水鉢が置かれている。
江島杉山神社 社殿江島杉山神社 杉多稲荷神社 鳥居
江島杉山神社 杉多稲荷神社 狛犬江島杉山神社 杉多稲荷神社 石祠
社殿向かって右手奥に末社の杉多稲荷神社が鎮座する。
傍らに置かれた小さな狛犬は、そのサイズ感とともに柔和でなんともユーモラスな表情が相まって、とても愛くるしい。
江島杉山神社 岩屋付近江島杉山神社 いわやみちの碑
杉多稲荷神社の隣には、江の島岩屋を模して1793(寛政5)年に築造された岩窟がある。
和一は最初に弟子入りした山瀬琢一に破門されたのち、江の島岩屋に籠り修行を行ったという。
その満願の日、石につまづき転んだ際、手に刺さった松葉から管鍼術のヒントを得たという伝承がある。
江島杉山神社 岩屋入口江島杉山神社 杉山和一検校像
江島杉山神社 宗像三女神・弁財天祠江島杉山神社 宗像三女神・弁財天像
江島杉山神社 宇賀神祠江島杉山神社 宇賀神像
岩屋内に入ると正面には杉山和一検校の石像。
その右側の祠には小さな石像が祀られている。
四角形の上半分には向かって右から多紀理比売命・市杵島比売命・多岐津比売命、下半分には琵琶を抱えた弁財天が彫り込まれている。
一方、杉山検校像の左手には人面蛇身の宇賀神像が祀られている。

江島杉山神社 御朱印
江島杉山神社 御朱印。初穂料300円。
社殿向かって左手の授与所にて受けられる。
葵の御紋を抱いた対い波が御神紋。
江島杉山神社 本所一ツ目弁才天御朱印
「両国にぎわい祭り」に合わせて行われた宝物公開を記念し「一ツ目弁財天」の御朱印も出された。