元宿堰稲荷神社

2017年1月28日

元宿堰稲荷神社
御祭神:宇迦之御魂命・大国主大神
社格:旧無格社
所在地:東京都足立区千住桜木1-15-5
最寄駅:JR常磐線 北千住駅
東京メトロ千代田線・日比谷線 北千住駅
つくばエクスプレス 北千住駅
東武鉄道伊勢崎線(スカイツリーライン) 北千住駅
足立区コミュニティバスはるかぜ8号(北千住駅~小台・宮城循環) 桜木町停留所
URL:—
御由緒:第116代桃園天皇の御代、1754(宝暦4)年の創建と伝えられるが、詳細は不明。
古来より当地に鎮座し、信仰心の篤い郷民により年中の祭祀も継続されてきたが、1945(昭和20)年11月、元宿神社の飛地境内社に編入される。
しかし当地には独立した神社が他になく、奉祭する社を欲した住民は再度鎮守社の設立を図る。
元宿神社の諒解を得て、1947(昭和22)年12月に設立願、翌1948(昭和23)年2月13日に承認され、千住桜木町の鎮守として復祀された。
1952(昭和27)年7月10日宗教法人承認、1954(昭和29)年4月10日には現社殿が造営された。
元宿堰稲荷神社 社頭元宿堰稲荷神社 社号碑
元宿堰稲荷神社 旧千住四本煙突守護社標元宿堰稲荷神社 水鉢
最寄りは北千住駅。
西口から駅前通りを進み、千住龍田町交差点で右折し墨堤通りへ。
そこから500mほど北に向かった左手に鎮座する。
1.5kmほどなので徒歩圏内だが、歩くのが苦手な人は西口発のバスが神社近くに停まるので利用するとよいだろう。
社頭には立派な社号碑のほか、「旧千住四本煙突守護社」と記された小さな木製の社標も。
「千住四本煙突」とは、社地の南側すぐの土地(現・千住桜木1-13-2)にあった千住火力発電所の煙突のことで、その建設と運営に関わる神事は当社が奉仕していた。
1926(大正15)年から1963(昭和38)年まで稼働し、当時火力発電所としては国内最大の出力を誇った同発電所の煙突は、通称「お化け煙突」
と呼ばれ、その解体まで永らく千住地区のシンボルとして存在し、小説や映画、漫画などにもたびたび登場する名所だった。
元宿堰稲荷神社 大正4年神狐 吽元宿堰稲荷神社 大正4年神狐 阿
元宿堰稲荷神社 拝殿元宿堰稲荷神社 本殿
社殿は瓦葺・平入り切妻造の拝殿、幣殿、そして珍しい煉瓦造の本殿で構成されている。
小さな社殿ではあるが、造営当時は戦後の復興途上にあり、経済もまだ不安定な時期である。
その時代背景と、合祀から復祀を経て再建を果たした関係者の心情と信仰に、ふと思いを馳せる。
元宿堰稲荷神社 水神社元宿堰稲荷神社 水神社 石祠
境内社は水神社(水速女命)が一社、社殿向かって左手奥に鎮座している。
もとは荒川渡場に祀られていたもので、石祠には「享保三年 本木村」の刻がある。
戦後、当社境内に遷された。
元宿堰稲荷神社 元鎮座地元宿堰稲荷神社 元宮
元宿堰稲荷神社 元宮 弘法大師石標元宿堰稲荷神社 元宮 子育地蔵大菩薩標
元宿堰稲荷神社 元宮祠 (1)元宿堰稲荷神社 元宮祠 (2)
社地から北に25mほど離れた信号そばには元宮が鎮まっている。
この付近には隅田川までつながる元宿掘があったが、1970(昭和45)年に埋め立てられ現在は緑道になっている。
また、浮世絵師・葛飾北斎の風景画「富嶽三十六景」のひとつ、「武州千住」が描かれた場所として顕彰碑が建てられている。

元宿堰稲荷神社 御朱印元宿堰稲荷神社 「鳳祥」御朱印
元宿堰稲荷神社 御朱印。初穂料各300円。
通常時は無人だが、正月三が日のみ授与が行われた。