亀有香取神社

2016年7月16日

亀有香取神社

概要

当地が亀無郷と呼ばれていた鎌倉時代の建治2年に創建された旧亀有村の鎮守。
平成28年以降、七夕などの際に限定御朱印が出されるようになった。

御祭神 経津主大神
相殿神
武甕槌大神・岐大神
社格 旧村社
鎮座地 東京都葛飾区亀有3-42-24
最寄駅 JR常磐線 亀有駅
URL http://kameari-katorijinja.com

御由緒

旧亀有村は古くは亀無郷と呼ばれ、当地は葛西御厨(伊勢神宮の荘園)の一部であった。
領主・葛西三郎清重が、21年毎の式年造営に携わるなど篤く信仰していた香取神宮の分霊を祀った影響から、1276(建治2)年に郷内の守護神として当社が創建された。
葛西氏が衰退したのちは千葉氏・後北条氏らの所領となったが、香取信仰は地域に根強く残り、多くの香取社が鎮座している。
当社にはのちに武甕槌大神・岐大神が合わせ祀られ、東国三社明神を祀る社となった。
旧地名「亀無」は低湿地帯の中に「亀」の甲羅の形を「成す」土地の意といわれる。
葛西御厨の範囲と所領高を明記した1398(応永5)年の「下総国葛西御厨注文」、1559(永禄2)年に北条氏康が家臣等に課す諸役賦課の基準となる役高を記させた分限帳「小田原衆所領役帳」に「亀無」「亀梨」の記載がみられる。
1644(正保元)年に江戸幕府が作成させた「正保改定図(正保国絵図)」から「亀有」の表記が確認されており、変化した理由は不詳だが「無し」の意味を嫌い、慶字に改められたと推測されている。
1695(元禄8)年の「亀有村検地水帳」には境内外地537坪が除地として記され、亀有村の鎮守として広大な社地を保有していたことがわかる。
社殿は1651(慶安4)年・1705(宝永2)年・1827(文政10)年・1860(万延元)年にそれぞれ改築や増築がなされた。
1827(文政10)年造営時の拝殿は、神楽殿として移築され現存している。
明治以後は旧別当の恵明寺(現・葛飾区亀有3-32-25)と分離し、1872(明治5)年11月10日をもって村社に列せられた。
1887(明治20)年に社殿改築が行われており、この際造替された本殿は1967(昭和42)年9月の現社殿造営時に招魂社社殿へ転用されている。
1899(明治32)年に砂原村の松山稲荷神社が、1904(明治37)年に中之台諏訪神社が、1908(明治41)年に浮洲稲荷神社・神明宮・白山神社・道祖神社の各社が境内へ遷座された。

境内紹介

亀有香取神社 西側鳥居亀有香取神社 鳥居と社号標
亀有駅南口から、東側を走る環七通りへ向かう。
環七を横断し、南(葛西・青戸)方向へ約200mほど先、アリオ亀有の近くに正参道がある。
途中、環七通り側にも参道の入口があり、立派な鳥居も建っているので思わずこちらに吸い込まれそうになるが、正参道はあくまでアリオ側。
亀有香取神社 神亀像 吽亀有香取神社 神亀像 阿
社頭には全国的にも珍しい神亀像が一対。
旧社殿の屋根に置かれていた亀形瓦(葛飾区指定登録有形文化財)を模したもので、2009(平成21)年に造立された。
亀有香取神社 境内俯瞰亀有香取神社 手水舎
亀有香取神社 少年よ、あの星を目指せ!両さん像亀有香取神社 神楽殿
参道の途中には、亀有出身の漫画家・秋元治氏の代表作である「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の主人公、両津勘吉像。
「どんな時も両さんのように明るく元気に夢を持って歩んで欲しい」という子供達への願いが込められている(※境内掲示板より)。
一方、参道東側にある江戸時代の拝殿を移築転用した神楽殿は、震災や空襲を逃れた貴重な建築物である。
亀有香取神社 拝殿前狛犬 (1)亀有香取神社 拝殿前狛犬 (2)
亀有香取神社 拝殿亀有香取神社 本殿
1967(昭和42)年造営の鉄筋コンクリート造社殿は、本宮の彩色等を意識されているようにも感じられる。
本殿周囲は社叢と瑞垣で囲われ、開放的な拝殿前までの空間と分けられた、厳然たる境界が存在している。

境内のマスコットたち

亀有香取神社 かめみちゃん・こまかめのあーくん・うーちゃん亀有香取神社 賽銭箱の亀
亀有香取神社のマスコット、かめみちゃんと、こまかめのあーくん・うーちゃん。
賽銭箱にも亀が乗せられている。

境内社

亀有香取神社 道祖神社 鳥居亀有香取神社 道祖神社 社殿
亀有香取神社は鎮守社・村社ということもあり多数の境内社が鎮座している。
表参道左手の道祖神社(猿田彦神)は、かつて古上水西千間堀の北端に祀られていた。
遷座された現在も北を向いて災厄から亀有の街を護り続けている。
亀有香取神社 神明宮亀有香取神社 白山神社
社殿向かって右手には4社が鎮座する。
由緒に登場する神明宮(天照大御神)と白山神社(白山権現・伊邪那美命)の創祀はいずれも古く、白山権現が1345(文明6)年、神明宮は1557(弘治3)年である。
亀有香取神社 水神宮亀有香取神社 諏訪神社
水神宮(弥都波能売命)は1799(寛政11)年、境外末社として中川橋付近に奉斎された。
諏訪神社碑(建御名方命)には、明治期に神田神社社司であった平田盛胤謹書の刻銘がある。
亀有香取神社 正一位穴守稲荷大明神亀有香取神社 力石
本殿の後方には稲荷の小祠群。
一番東側の石祠(宇迦御霊命)には不鮮明だがおそらく「正一位穴守稲荷大明神」と刻まれている。
その後方にはさりげなく力石が一基。
亀有香取神社 松山稲荷神社亀有香取神社 稲荷社 (3)
亀有香取神社 関口神社碑亀有香取神社 稲荷社 (4)
続いて松山稲荷神社(宇迦御霊命)、稲荷社(宇迦御霊命)がもう2座と、祭神・由緒不明の「関口神社」碑が並ぶ。
亀有香取神社 藤四郎稲荷神社亀有香取神社 紙製荷造函創始之碑(ロール紙記念碑)
亀有香取神社 招魂社 鳥居亀有香取神社 招魂社 社殿
亀有香取神社 亀有香取神社 正一位浮洲稲荷大明神 鳥居亀有香取神社 亀有香取神社 正一位浮洲稲荷大明神 社殿
さらに藤四郎稲荷神社(宇迦御霊命)、亀有旧砂原地区出身者の英霊・戦没者を祀る招魂社、浮洲稲荷神社(倉稲魂命)が並ぶ。
前述のとおり、招魂社の社殿は香取神社の旧本殿。

御朱印

亀有香取神社 御朱印

亀有香取神社の御朱印は初穂料300円。
境内西側の社務所にて拝受可能。

限定御朱印

亀有香取神社 2016(平成28)年例大祭限定御朱印 亀有香取神社 2017(平成29)年正月限定御朱印 亀有香取神社 2017(平成29)年例大祭限定御朱印

2016(平成28)年の例大祭では、鎮座から740年を記念した限定御朱印が授与された。
2017(平成29)年の例大祭にも亀の印判が金銀となった限定御朱印が枚数限定で出されている。
いずれも書き置きのみの授与。
2017(平成29)年の1月には月内限定の御朱印が出された。
こちらは印判が正月を慶祝する鶴亀。

七夕の御朱印

亀有香取神社 平成28年七夕限定御朱印 亀有香取神社 平成29年七夕限定御朱印

七夕限定印は書き置きのみの授与。
2016(平成28)年と2017(平成29)年では意匠が異なる。

亀有香取神社の地図