亀戸浅間神社
概要
日本武尊東征の折に入水した弟橘比売命の笄と櫛が埋められたという笄塚に、浅間神社を勧請し創建された。
隣接する公園(旧社地)には富士塚が残されている。
御祭神 | 木花咲耶比売命 |
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社格 | 旧無格社 |
鎮座地 | 東京都江東区亀戸9-15−7 |
最寄駅 | 都営地下鉄新宿線 東大島駅 |
URL | http://www.sengen.or.jp |
御由緒
日本武尊が東征の折、相模から上総へ向かううため走水海(浦賀水道)にいたる。
その際「こんな小さな海なら、駆けて跳び上がってでも渡れる」と大言壮語し、海を渡ろうとした。
ところが、海の中程までくると突然暴風にみまわれ、船は荒れ狂う波に翻弄され航行不能となる。
同行していた日本武尊の后・弟橘比売命は「これは、日本武尊のお言葉に怒った海神の仕業だ」として自らの身を海に投じたところ、暴風は収まり船を進めることができた。
その後、弟橘比売命の笄(こうがい)と櫛が現在の亀戸9丁目(当社の旧地)付近に漂着する。
これを聞いた十二代景行天皇(日本武尊の父)は大層愁い、当地に笄を埋めた塚(笄塚)を築造し、祠を建てて祀ったとされている。
当地の旧称・高貝洲(こうがいす)はこの伝承に由来する。
時は移り、富士信仰が浸透し始めた1527(大永7)年、里人たちは甘露寺元長に願い出て木花咲耶比売を勧請、笄塚の上に浅間社を創建した。
江戸時代には1795(寛政7)年の深川の山玉講による水盤など多数の石造物が奉納され、亀戸・大島・吾嬬の富士講を中心として信仰を集めるようになる。
社殿は1855(安政2)年の安政江戸地震や1923(大正12)年の関東大震災で被災し、1926(昭和元)年に再建されたものが現存している。
1998(平成10)年、大島・亀戸・小松川防災再開発事業にともない、現在地に移築された。
境内紹介
東大島駅の大島口が最寄り。
ここから都道477号線(番所橋通り)を北に向かい、首都高7号小松川線を過ぎて二つめの信号を左に曲がると、まもなく玉垣が見えてくる。
境内にいたると大鳥居の近くに身禄歌碑が安置されている。
手水舎を過ぎると神田がある。
栽培されているのは「イセヒカリ」。
1989(平成元)年に伊勢神宮の御神田で発見された新種で、発見にいたったエピソードが興味深い。
伊勢地方は2度の台風に見舞われ、当時栽培されていたのは倒れやすいコシヒカリであったため、御神田の稲はなぎ倒された。
そんな中、二株だけ立ち残っており、コシヒカリとは異なり太く短い姿をしていた。
調査の結果、病害虫や風雨など環境変化に強い上、食味値も高値を示すまったくの新品種であると判明し、以降数年は門外不出とされ神宮でのみ栽培されていたという、まさに「神が与えた米」である。
現在でも公的流通経路には乗せられておらず、流通量が少ない希少な品種となっている。
参考:入手可能なイセヒカリの流通例
江東区有形民俗文化財の石道標には、浅間神社のほか亀戸天神や常光寺、浅草の方向が示されている。
境内には水盤、二基の石鳥居や石燈籠、拝殿前の天水桶など数多くの文化財が拝観できる。
亀戸の富士塚(笄塚)
境内北側に抜けると、旧社地であった亀戸の富士塚(笄塚)がある。
周囲は区立亀戸浅間公園として整備されており、塚の高さも低めなことから、一見富士塚らしさはない。
しかし近づいてみれば富士講碑や石猿像、ボク石(溶岩塊)が多数残されているのが確認できる。
関東一の茅の輪
当社の茅の輪は関東一の大きさを誇る。
神輿の保存会である亀盛睦会によって製作され、太さは一ヶ月の日数にちなんだ30cm、高さは一年の日数にちなんだ3.65mという。
夏越の時期には七夕や夏詣の装飾も同時に行われ、境内は華やかに彩られる。
境内社
手水舎のそばに稲荷神社(宇迦之御魂神)と下浅間神社(大黒様・恵比寿様)が鎮座する。
また南東側の入口付近には庚申塔や馬頭観音像などのほか、江戸時代から境内や近隣で祀られていた地蔵尊像が集められた六ツ目地蔵小屋がある。
御朱印
亀戸浅間神社の御朱印。初穂料300円。
参道右手の社務所にて受けられる。
当社は夏詣の賛同社であるため、期間中は夏詣印が追加されている。
限定御朱印
夏詣
2017(平成29)年の夏詣御朱印は書き置きのみ100体限定の頒布となった。
限定数頒布後は金泥から通常の墨書きがなされている。
「願い鈴」神事
当社には社宝として第5代将軍・徳川綱吉公奉納の金箔三ッ葉葵紋入鈴が伝わる。
通常は本殿奥に安置されているが、一年に一度七夕の日に一般公開され、初穂料500円以上を志納すると鈴に触れて願い事を祈願させていただける。
2017(平成29)年の七夕当日は、これにちなんだ御朱印が100体限定で頒布された。
亀戸浅間神社の地図
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