浅草神社(三社様)・被官稲荷神社・浅草富士浅間神社

2014年6月1日

概要

平安末期から鎌倉初期に創建された。
隣接する浅草寺の守護神として鎮座し、その関係は密接である。
例大祭「三社祭」は初夏の風物詩として有名。

御祭神 土師真中知命・檜前浜成命・檜前武成命・徳川家康・恵比寿神
社格 旧郷社
鎮座地 東京都台東区浅草2-3-1
最寄駅 東京メトロ銀座線 浅草駅
都営地下鉄浅草線 浅草駅
東武鉄道伊勢崎線(スカイツリーライン) 浅草駅
つくばエクスプレス 浅草駅
URL http://www.asakusajinja.jp/

御由緒

628(推古天皇36)年3月18日、宮戸川(現・隅田川の浅草周辺流域)で漁をしていた檜前浜成・竹成兄弟の投網に尊像が掛かり、水中に捨てても何度も掛かるため、ついには持ち帰り槐(えんじゅ)の木の切り株に安置した。
兄弟は地域の郷司で知識人であった土師真中知にこのことを告げ尊像を見せたところ、聖観世音菩薩の尊像であると判り、以後兄弟はこれを篤く敬うようになる。
また土師真中知は僧となり、自宅を改めて寺とし観音像を奉安し礼拝供養に生涯を捧げたといい、これが浅草寺の創始とされる。
そして真中知の没後、嫡子が観世音の夢告を受け、上記の三人を祭神として祀ったのが三社権現社(浅草神社)の創建である。
しかしながら権現思想の発生・流行時期から考察するとこの由緒には無理があるといい、実際には平安末期~鎌倉初期頃に、三氏の末裔が地域発展に寄与した郷土神として祀ったものであろうと推定されている。
社殿は江戸幕府三代将軍・徳川家光が1649(慶安2)年12月に再建・寄進したものが現存し、江戸初期の代表的権現造の神社建築として1951(昭和26)年には国重要文化財指定を受けている。
なおこの再建時、焼失した浅草東照宮より徳川家康が合祀された。
当社の例大祭「三社祭」は東京の初夏の風物詩として大変有名であるが、その歴史は古く、1312(正和元)年3月に「神輿を飾り奉り、船遊の祭礼を営み、天下の安寧を祈るよう」との神託があり船渡御が始められたという。
社殿再建ならびに神輿の新たな造営を機に浅草寺と一体の祭「観音祭」「浅草祭」として江戸市中においても一大行事となっていった。
由緒の通り、浅草寺の守護社として分離し得ぬ強い関係性を持ち、江戸時代までは浅草寺により管理されていた。
しかし明治政府による神仏分離令により独立することとなり、社号も1868(明治元)年には三社明神と改称、さらに1873(明治6)年浅草神社と改称された。
以後は関東大震災、第二次大戦時の空襲にも社殿は被害を受けることなく、現在に至る。

境内紹介


東京でも有数の一大観光スポットでもある浅草寺の境内、本堂右手に鎮座する。
いつも非常に込み合っているが、地下鉄各線から雷門、仲見世通りを目指せば迷うことはないだろう。

境内右手に神楽殿があるが、その脇の木陰に「夫婦狛犬」なるものが。江戸時代初め頃の製作らしい。
ちょっと寄り添ってる感じがまた微笑ましい。


社殿までの参道途中そして拝殿前と、二対の狛犬。
参道途中の狛さんは割と大きめ。

天災や激しい空襲、環境悪化で多くの木造建築が失われている中で、江戸初期造営の社殿が奇跡的に残っている。
1996(平成14)年には塗装の修繕も行われた。

御朱印・御朱印帳

御朱印

浅草神社と恵比寿神の御朱印。
初穂料は各500円。
拝殿右手の社務所にてお願いできる。
当社は浅草名所七福神の一所であり、恵比須様の御朱印が通年で受けられる。
ちなみに浅草寺が大黒天である。

御朱印帳

浅草神社の御朱印帳は初穂料1,000円。
紺、緑、桃の三種類が頒布されている。
表紙にあしらわれた御神紋は三つの網で、御祭神を表す。

浅草神社の限定御朱印

初詣の限定御朱印

元旦から1月7日までは初詣の限定御朱印が出される。
この時期は浅草名所七福神を巡る参拝者も集まるため、非常に混雑する。

浅草寺本尊示現会



平成28年の浅草寺本尊示現会・浅草神社宮神輿堂上げの様子。
堂上げ堂下げは、御祭神が浅草寺本尊である聖観世音菩薩の尊像を拾い上げた縁起にちなんだ神仏混淆の行事。
神霊入れを行った三基の宮神輿が浅草寺本堂に一晩安置され、御祭神が観音様と対面される。
神仏混淆を肌で感じられる堂上げ時の動画は以下から。
一之宮二之宮三之宮

堂上げ・堂下げ限定御朱印

浅草寺本尊示現会・浅草神社宮神輿堂上げ堂下げ限定御朱印。
2016(平成28)年と2017(平成29)年では印判の色に変更がある。

三社祭限定御朱印

毎年5月中旬に斎行される例祭「三社祭」期間中は限定御朱印が授与される。
三社祭限定御朱印は2016(平成28)年に変更され、見開き形式で社号・神紋に加え金泥で神輿が捺されるようになった。
2017(平成29)年は神輿の印判が銀泥。

浅草神社の本社神輿、一之宮・二之宮・三之宮。

浅草神社提唱の「夏詣」

毎年7月1日~7日は浅草神社が提唱する「夏詣」期間として、印判が追加された限定御朱印が授与されている。
2016(平成28)年の夏詣御朱印は前年から意匠が変更、2017(平成29)年は配色の変更がなされた。

隅田川花火大会

隅田川で毎年7月最終土曜日に行われる花火大会は、大勢の観客を動員する夏の風物詩のひとつ。
当社由緒に深く関わることから、開催当日限定で隅田川花火特別御朱印が授与される。
数量限定で線香花火付きの粋な計らいも。
なお、夏詣同様こちらも年毎に配色の変更がある。

神事・節句の御朱印

2016(平成28)年11月23日の新嘗祭と2017(平成29)年2月17日の祈念祭当日には、掲載した一般参拝者向けのほか新嘗祭参列者限定の二種類の限定御朱印が授与されている。
新嘗祭限定御朱印の拝受者には御神田で実った稲穂が併せて授与された。
その他節句行事にちなんだ御朱印も。

被官稲荷神社・富士浅間神社

境内社・被官稲荷神社と、末社・浅草富士浅間神社の詳細および御朱印については次ページにて紹介する。

浅草神社の地図