谷保天満宮
御祭神:菅原道真公・菅原道武公
社格:旧府社・延喜式内社(論社)・関東三大天神
所在地:東京都国立市谷保5209
最寄駅:JR南武線 谷保駅
URL:http://www.yabotenmangu.or.jp/
御由緒:901(昌泰4)年、右大臣菅原道真公が、左大臣藤原時平の謀略により筑紫国太宰府へ左降された。
この際、道真公の子息4人も配流となり、第三子・道武公は武蔵国多摩郡分倍庄栗原郷(現・国立市谷保)に遷された。
道真公には道武という子息の存在は確認できないが、これは配流された際に実名を秘して道武と称したためとされている。
903(延喜3)年、道真公薨去の報を受けた道武公が、思慕の情から菅公の尊容を刻み天神島(現・府中市日新町付近)に祀ったのが当社の始まりで、東日本最古の天満宮とされている。
947(天暦元)年、山城国・北野天満宮造営の折、村上天皇の勅命により社殿が造営され、官社に列せられた。
その後、道武公の裔孫で源頼朝に仕え数々の武功を立てた津戸三郎為守が、1181(養和元)年11月3日に旧社地より社殿を現在地に遷し、太宰府に模して梅香山安楽寺を興し、社務六院を置き祀典を司どった。
1277(建治3)年、藤原経朝の書による「天満宮」の扁額が納められおり、国指定重要文化財となっている。
この扁額は「江戸名所図会」「新編武蔵風土記稿」などに後宇多天皇の奉納と記されている。
明治維新後の1885(明治18)年には府社に列した。
1908(明治41)年8月1日、有栖川宮親王殿下の先導により、日比谷公園から当社を目的地として国内初のドライブツアー「自動車遠乗会」が開催された。
宮様一行が昇殿参拝の後、無事に帰還されたことから、当社は交通安全祈願発祥の地と称されるようになった。
また、現在は湯島天満宮・亀戸天神社とならび「関東三天神」の一社に数えられている。
谷保駅南口から、駅西側を通る都道146号線(通称・大学通り、天神道)に出て南へ向かう。
この150mほど先に甲州街道に接する参道入口がある。
南に流れる多摩川左岸の段丘上に社地があり「下り宮」の形式になっている。
元の甲州街道は境内の南側を通っており参道も南にあったが、多摩川の流路が変わる影響で街道の経路も変更され、江戸時代に現在の形に落ち着いたという。
余談だが、当地の地名は「やほ」。
これは「野暮」に通じるのを嫌って付けられた駅名に由来する。
元々の読みは「やぼ」であり、当社の社号も「やぼてんまんぐう」と読む。
境内へ降りると小滝や神楽殿、そして玉垣があり、その前には座牛像。
拝殿へ至る途中には撫でられた鼻がピカピカになった撫で牛。
そして、苔むした様子が味わい深い拝殿前の狛犬にもご挨拶。
拝殿は1851(嘉永4)年、本殿は寛延2(1749)年の造営とされ、ともに国立市指定有形文化財である。
本殿にはかつて極彩色の塗装が施されていたことがわかっている。
本殿後方には境内社の五社合殿と三郎殿。
合殿には天照皇大神宮・妙義神社・日吉神社・熊野神社・稲荷神社が祀られている。
三郎殿の石祠は道武公を祀った1816(文化13)年造の安山岩製で、市登録有形文化財である。
境内西端に鎮座するのは末社・厳島神社。
元は石神(しゃくじ)地区にあったが、明治時代に現在地へ遷された。
社殿は1759(宝暦9)年頃の造営と推定されており、市登録有形文化財となっている。
細部に天満宮本殿との共通性があるため、同じ大工により作られた可能性が高いとみられる。
厳島神社の周囲はあじさい園になっており、初夏には鮮やかに彩られる。
また、弁天池の水の清らかさにも驚かされる。
「常盤の清水」といい、東京の名湧水57選のひとつに数えられている。
手水舎の向かい側には稲荷神社・蒼守稲荷神社・淡島神社の合殿。
梅林の脇には弁天社、表参道側駐車場の東端には第六天社。
谷保天満宮の梅まつり
梅が見頃を迎える2月下旬頃の週末には梅まつりが開催される。
広い梅林に紅白の花が咲き誇る風景は素晴らしい。
また、梅林内には通常週末のみ開店する茶屋があり、梅の開花中は平日も営業している。
この時期に数量限定で提供される紅梅ゼリーは、ここで採れた梅が用いられており、香りと自然な甘味のバランスが絶品だ。
日新稲荷神社 (谷保天満宮発祥之地)
鎮座地:東京都府中市日新町2-36
谷保天満宮から1.5kmほど南に、日新稲荷神社という小さな稲荷神社が鎮座している。
谷保天満宮が最初に祀られたのがこの場所といわれており、石碑が建立されている。
谷保天満宮 御朱印帳。初穂料1,300円(初回の御朱印分込み)。
パステルカラーに梅紋があしらわれ、「日本一キレイでかわいい」のキャッチフレーズが付けられたこの御朱印帳は非常に人気がある。
なお、サイズは11×16cmと12×18cmの二種が用意されている。
谷保天満宮 御朱印。初穂料300円。
御朱印帳・御朱印とも社殿向かって左手の授与所にて受けられる。
開所時間は午前9時から16時50分まで。
なお、当社で兼務している府中市住吉町・小野神社の御朱印も拝受可能。
特に案内の掲示はされていないので、申し出が必要である。
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