意富比神社(船橋大神宮)
御祭神:天照皇大御神
社格:延喜式内小社・旧県社
所在地:千葉県船橋市宮本5-2-1
最寄駅:京成電鉄本線 大神宮下駅
JR総武線 船橋駅
東武鉄道野田線 船橋駅
URL:http://www.oohijinja.jp/
御由緒:110(景行天皇40)年、日本武尊が東征の折に天照皇大御神を祀り、東国平定の成就と干魃に苦しむ住民のために祈願したところ降雨があったといい、これが創祀とされる。
平安時代の927(延長5)年に編纂された「延喜式神名帳」の式内小社「下總國葛餝郡意富比神社」に比定されている。
元々意富比神(おおひのかみ)が祀られていたが、次第に伊勢信仰に同化し船橋神明・船橋大神宮と称されるようになった。
意富比神は「大日」とも表され、当地一帯で信仰されていた太陽神とする説が最も有力だが、「大炊神」つまり食物神とする説もある。
信仰対象の変化については、天照皇大御神が同じく太陽神であることに加え、夏見地区を中心とした一帯の土地が神宮に寄進され「夏見御厨(船橋御厨)」となったことも影響しているとみられている。
天喜年間(1053~1058)年には源頼義・義家親子が社殿を修造、仁平年間(1151~1154年)には源義朝も社殿を再建した。
また、鎌倉時代には日蓮聖人が当社で断食祈願を行い、曼荼羅本尊と剣を奉納したとされる。
徳川家康は江戸入府後に社領の寄進、本殿・末社等の造営を行い、以後幕府より五十石の寄進が幕末まで続いた。
1968(明治元)年、戊辰戦争の戦闘(市川・船橋戦争)において旧幕府軍の陣地とされたため、新政府軍の攻撃を受け社殿等の施設・資料などが焼失する。
1872(明治5)年、県社に列せられ「意富比神社」の社号に戻された。
焼失した社殿も、1873(明治6)年に本殿、1889(明治22)年には拝殿が再建されている。
1880年(明治13)年には灯明台が設置され、政府公認の私設灯台として1895(明治28)年に廃止されるまで機能していた。
最寄駅は京成線の大神宮下駅。駅名の「大神宮」はもちろん当社の通称・船橋大神宮に因む。
駅出口で左を向けば150mほど先に表参道の石鳥居が見える。
JR・東武線の船橋駅からは1km程度の距離だが、かつて門前町だったという船橋本町通りを歩いてくるのもいいだろう。
参道は拝所まで150mほど真っ直ぐに続く。
途中には二の鳥居と狛犬。鳥居は木造で2013(平成25)年に神宮の式年遷宮を記念して造替された。
二の鳥居の東側には、毎年10月の例祭時に奉納相撲が行われる土俵がある。
奉納相撲の起源は1590(天正18)年に行われた徳川家康の上覧相撲とされている。
相撲を取る子供たちの姿を見た家康がこれを奉納したのが始まりといわれ、後に幕府が勧進元となった。
神門が一般参拝者の拝所となっている。
拝殿と本殿は周囲を囲った塀の内側となっており、御祈祷を受ける場合のみ参進できる。
意富比神社には39社にも及ぶ境内摂末社が鎮座している。
境内西側奥には水天宮、稲荷神社、古峯神社・秋葉神社(合殿)、その隣の神輿奉安殿内に八坂神社・八劔神社。
八坂神社・八劔神社は2基の神輿がそれぞれのお宮である。
金刀比羅社、八幡神社・竈神社・龍神社・道祖神社・客人神社・多賀神社の合殿。
岩島神社・住吉神社・祓所神社・春日神社・香取神社・鹿島神社・玉前神社・安房神社・天満宮・天神社の合殿、船玉神社。
船玉神社は船魂を祀っていたとされ、社殿は船を模っている。現在の祭神は天鳥船命と住吉命。
粟島神社・根神社・祈年穀神社・岩長姫神社・阿夫利神社・大山祇神社・事代主神社・大國主神社・水神神社・産靈神社の合殿と、猿田比古神社(石碑)。
猿田比古神社の隣に三峯神社。ここまでが境内西側。
意富比神社の社殿に向かって右手(東側)に移ると日本武尊を祀る大鳥神社が鎮座。
大鳥神社にちなんで毎年12月の一の酉、二の酉には酉の市が行われる。
大鳥神社の後方の丘には千葉県指定有形民俗文化財の灯明台。
かつて浅間神社が鎮座していたことから「浅間山灯明台」と呼ばれていた。
なお、この丘については覆宮塚という円墳とする説がある。
意富比神社の本殿右手には摂社・常磐神社。
日本武尊・徳川家康公・徳川秀忠公を祀る。
参拝時は社殿造替中。現在はすでに竣工しているとのことなので、折をみて参拝したい。
境内東側、神楽殿近くに3社。護国の英霊を祀る天之御柱宮と八雲神社。
天之御柱宮と八雲神社の間には豊受姫神社。
豊受大神を祀り、意富比神社における外宮の位置づけとなっている。
社殿は第62回式年遷宮によって内宮・由貴御倉の古材が撤下され造替、2015(平成27)年8月20日に遷座が行われた。
ちなみに、上記リンク(伊勢・内宮のページ)にて解体撤下前の由貴御倉が閲覧可能である。
意富比神社(船橋大神宮) 御朱印帳。初穂料1,200円。
表は灯明台、裏には二代目安藤広重による「諸国名所百景」に描かれた「下総舟橋大神宮」。
なお、表表紙の見返しには「旅先安全船橋大神宮御守護」の御神符が貼られている。
意富比神社(船橋大神宮) 御朱印。初穂料300円。
御朱印帳・御朱印ともに社殿向かって左手の授与所にて。
ディスカッション
コメント一覧
今日、船橋大神宮へ行ってきました。
人が多く、授与所には多くの人がご祈祷などの受付をしていました。
常盤神社完成していましたよ。
色鮮やかな社殿でとてもきれいでした。
また、再訪したくなりました。